ベルリッツのスト損賠請求 協定書を締結し解決。 他2つ。 全労協新聞 2013年2月号 4面


全国一般東京東部労組http://www.toburoso.org/の記事2つ、全国一般東京南部http://nugwnambu.org/の記事1つ。

全国一般東京東部労組
 大手学習塾「市進学院」の専任講師が組合結成
 都労委で勝利命令 原職復帰まで闘う
全国一般東京南部
 ベルリッツのスト損賠請求 協定書を締結し解決


●全国一般東京東部労組

大手学習塾「市進学院」の
専任講師が組合結成

で「市校」「個太郎塾」などを展開する株式会社市進の事業形態の一つである「市進学院」(小・中・高生対象の学習塾)の専任講師七人が昨年十二月十三日、全国一般東京東部労組市支部を結成しました。

市進学院の専任講師は、一年ごとの有期雇用契約で働いており、組合員について言えば二十年以上に渡って契約を反復更新しています。しかし、実態としては常用雇用に等しい状態であり、まさに「名ばかり有期雇用」と言えるような状態です。会社は、一年ごとの契約更新を奇貨として賃金のカットなど労働条件の不利益変更を講師に強いてきました。また、専任講師に適用される就業規則には、「五十歳での更新が最後」、すなわち五十一歳以降での雇い止めが明記されています。

労働条件切り下げの不安におびえながら授業を行ってきた講師たちは、このような実態を改善しようと労働組合結成しました。

市進支部は一月十六日、組合結成を公然化。会社宛に結成通知・要求書・団体交渉申入書を送付するとともに、厚生労働省記者クラブで記者会見を行いました。市進支部並木委員長、安田書記長はじめ、組合員からは、有期雇用を理由とする労働条件不利益変更の実態と、生活の不安定さ、それに対して労働組合結成に立ち上がった決意などが語られました。

当日のNHKニュース、翌日の新聞で報道され、市進支部の活動は社会的に注目されるところとなっています。

市進支部は今後、期間の定めのない「正社員」としての雇用などを会社に求めていきます。みなさんの激励・ご支援をお願いいたします。


●全国一般東京東部労組

都労委で勝利命令 原職復帰まで闘う

(株)タケエイのドライバーで二〇〇六年に結成した全国一般東京東部労組タケエイ支部。二〇一〇年十月、支部加入したばかりの瀬戸さんに対して会社は、「荷台のシートのかけ方について『ウソをついた』」と一方的に決めつけ、ドライバー業務から外し、大幅な賃下げを伴う配転攻撃をかけてきました。これに対し支部はただちに東京都労働委員会(都労委)に不当労働行為の救済申し立てを行い、翌年十一月には多くの仲間の支援のもと、タケエイ本社前での抗議行動を行いました。

そして今年一月二十三日、都労委は命令を交付。瀬戸さんの原職復帰、謝罪文の組合への交付と会社施設への掲示を命じた上で、会社の行為を不当労働行為と断罪しました。タケエイ支部の勝利です!

会社は、瀬戸さんが自らの正当性を団体交渉や都労委で主張し続けていることをもって、瀬戸さんをドライバーに戻さない「理由」としていました。このような会社の主張が通るのであれば、労働委員会労働組合で、会社の不当なやり方に抗議することができなくなってしまいます。この会社の主張を都労委は明確に退けた上で、そのような会社の主張こそが不当労働行為意思の現れであるとの趣旨の判断をしています。そして、会社の行為は労組法第七条一号・三号・四号に該当する不当労行為であると認定しました。

タケエイ支部は今後、この都労委命令をバネに、瀬戸さんの原職復帰を実現するまで闘いを強めます!

この間のご支援に感謝するとともに、引き続き、みなさんのご支援、お願いいたします。






●全国一般東京南部

ベルリッツのスト損賠請求
協定書を締結し解決


全世界に語学学校を展開するベルリッツは、米国ニュージャージーに本社を置く多国籍企業で、日本資本「ベネッセ」に傘下にある。日本各地六四ヶ所に一三〇〇人を超える語学講師が働いている。全国一般東京南部ベルリッツゼネラルユニオン東京は、二〇〇七年春、長期に及んでいた外国人講師ベースアップ・ゼロに対して春闘ベースアップ要求を提出した。会社の要求拒否に対して、組合は二〇〇七年十二月から二〇〇八年十一月まで授業単位で三五二一回に及ぶ長期波状的ストライキを闘った。

これに対して会社はストライキを違法として、二〇〇八年十二月、組合、執行委員長、ストライキ参加者など九者を被告とする一億一〇〇〇万円の損害賠償請求を東京地方裁判所に提訴した。ストライキに対する損害賠償の妥当性を巡り、事件は三年を越える長期裁判となったが、東京地裁は二〇一二年二月、ストライキの正当性を認め、会社の損害賠償請求をすべて却下する組合勝利の判決を下した。

会社は、直ちに東京高裁に控訴したため闘争は続いた。東京高裁の和解勧告により労使の自主交渉が重ねられ昨年年末十二月二十七日、合意協定書の締結、遵守を内容とする和解が成立した。組合は労使合意について、今後のストライキについての手続き確認、争議の原因であったベースアップ問題の解決、団体交渉における情報公開・誠実協議など組合の要求について満足できる内容として合意締結した。

不当な損害賠償攻撃をはね返し、団結を維持し労使合意解決を実現できたことは大きな成果であった。長期にわたるご支援に深く感謝します。




Berlitz union wins raise, bonus in suit settlement
\110 million claim against teachers , union execs dropped, ending four-year fight



(F)