(声明)真逆に作用する「LGBT理解増進法」の拙速審議と成立に抗議する!

(声明)真逆に作用する「LGBT理解増進法」の拙速審議と成立に抗議する!
 2023年6月16日の参議院本会議でLGBT理解増進法案が採決され 賛成 多数により成立した。衆議院内閣委員会に与党案に維新・国民の修正案を取りこんだ修正案が6月9日に提示され、即日可決。13日には衆議院本会議で可決した。
 この状況を受け「LGBTQ+への差別・憎悪に抗議するフェミニストからの緊急声明」 が出された。声明では「『全ての国民が安心して生活することができることとなるよう留意』という文言が入ったことで、マイノリティの権利保障に向けたはずの法律がマジョリティの権利尊重を謳うことになってしまっています。
 学校における教育・啓発・相談体制の整備についても、『家庭及び地域住民その他の関係者の協力』を得るという条件が付記されたことで、性的マイノリティへの理解増進が抑制的に運用される懸念があります。」とある。私たちは この懸念に同意する。
 また性的少数者のための法整備を目指す「LGBT法連合会」 は 衆議院での可決を受けて、「この法案は、私たちの求めてきた法案とは真逆の内容であり、当事者にさらなる生きづらさを強いるものである内容となっていることを、強く非難する。この法案は、当事者にとっての「暗黒時代」の到来につながるものとして、最大限の警鐘を鳴らし、今が緊急事態であること、このままの法案が成立することは、当事者コミュニティにとって、深刻な被害をもたらし得るものであることを、この声明をもって表明する」と声明を発出し、成立に反対していた。
 参議院では15日内閣委員会で参考人質疑はあったものの即日採決、16日午前の本会議で、討論もなく成立してしまった。当事者の声が全く届かない。
 G7サミットにむけ、日本を除くG6とEUの駐日大使が連名で、性的少数者(LGBTQ)の人権を守る法整備を促す岸田文雄首相宛ての書簡を出していたことも報道されていたが、結局日本が作ったのは当事者の求める物とは真逆なものでしかなかった。
 国際人権法・人権基準を満たさない入管法改定案も立法事実も崩れ、難民審査参与制度の問題点も明らかになりながら数の力で平然と成立させ、今またマイノリティの権利保障に逆行する「LGBT理解増進法」 の拙速成立だ。
 一体この国はどこへ行こうとしているのか!これで「国際社会において名誉ある地位を占める」ことなどできはしない!全労協女性委員会は人権後進国の道をひた走る政府とその補完勢力の暴挙を許すことはできない 。引き続き、真の差別禁止法の実現に向け声を上げ続ける。
2023年6月16日
全労協女性委員会