伝えたい「労働組合ならみんなで闘える」と! / 全労協新聞 2021年4月号

伝えたい「労働組合ならみんなで闘える」と! 全労協新聞 2021年4月号 

 


#全労協 

 

Woman直言

伝えたい「労働組合ならみんなで闘える」と!


岡本真弓
静岡県労働組合共闘会議
遠州労働者連帯ユニオン書記長

 「どうすれば同じように苦しむ人を助けることができるのか」と、本紙三三二号(woman直言で思いを投げかけてくれた島本さん。あなたが労働組合に至るまで、そして至ってからの軌跡を、概ねでいいから文字にして皆で共有できるようにしてと、お願いしていいでしょうか。

 もう十五ほど年も前の、ちょうど今頃のことです。
私は当時有期雇用で市の外郭団体に勤めていました。
そこでの仕事は区画整理事務という興昧深いもので、ずっと継統して働きたいと思っていましたが、周囲の様子から、団体は今期で私を切るつもりだと気がつきました。

 が、さて、実際に雇止めを通告されたら、どうすればいいのか。当時の私は、これといった法律のひとつも知らず、わずかにあった知識は、『契約更新を何回も繰り返していたら、簡単に解雇できなかったんじゃなかったっけ?』ということくらいで、雇止めと解雇の区別さえついていませんでした。

 折よく三日連休かあり、その間、自分はどういう状況なのか、どうしたいのか、何をすればいいのか、通告されたらとりあえずどう対応すればいいのか、手がかりを模索し、悩みましたが、助けとなったのが、先人の、同じように苦しんだ人たちの軌跡を書いたものでした。何冊も、何度も読み返しました。

 連休明け、直属の上司から、"団体は、あなたの契約更新はしない意向で
す。"を告げられましたが、「反復雇用している時は簡単に辞めさせることはできませんし、私も辞めるつもりはありません」と、すぐに返せたのはその成果です。

 直後に、今所属している遠州連帯ユニオンを見つけて相談し、正式な雇止め通告を受けてから団体交渉を申し入れてもらって、二回目の団交をした三月十八日には雇止め通告撤回を勝ち取り、その後七年間、働き続けることができました。

 島本さんかいろいろ苦しまれた、あちこちに相談した、労働組合が手を差し伸べてくれた。そんなあなたの経験を読めぱ、"私も同じ状況。こんなふうに道があるのならがんばってみよう?と思う人がたくさんいて、あなたの後に続くと思うのです。私が一歩踏み出すことができたように。だから、お願いしたい、と切に思います。

 『労働組台の制度は素晴らしい。しかし"パンピーには届いていない。届かないことで法律がなくなり、活動は衰退していくのではないか』実感しています。

今、労働が「業務委託・個人事業」に置き換えられつつあると思えるから。"労働組合"なら、みんなで闘えるんだと、一人でも多くの人にその形が届けられるよう、私も奮起したい。共にがんばりましょう!

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