21春闘勝利!京都総決起集会 決議

21春闘勝利!京都総決起集会 決議

 

 21春闘はコロナ禍の中での2度目の春闘です。昨年はパンデミック事態の中での緊急対応に追われた春闘でしたが、今年はこの1年間の事態で明らかになった事実を踏まえて、労働者の闘いを力強く前進させていく春闘を闘いましょう。

 

◆コロナ事態が明らかにしたこと

 

新自由主義政策が、利益のために人間を犠牲にしていることが誰の目にも明らかになっています。医療や福祉・地域の保健行政を削減してきた結果が、医療崩壊や高齢者施設での集団感染です。人と触れ合うケアワークや清掃、生活必需品の販売、郵便や荷物の配達など、日常生活に欠かせない仕事は、緊急事態宣言下でも休むことができません。人間の生活に欠かせない大切な仕事なのに、そこで働く労働者の多くが低賃金で不安定雇用です。大切な仕事、感染のリスクに見合った労働条件にすべきです。

観光業や飲食業の労働者は、休業や時間短縮で収入が激減し、まともな休業補償をしない雇い主も多く、倒産や解雇も増えています。昨年春以降、まことに切羽詰まった労働相談が続いています。生存の危機に瀕している労働者も決して少なくありません。

この危機はとりわけ非正規率が高い女性に集中的に表れ、女性の自死が急増する惨禍となっています。技能実習生をはじめとする外国人労働者も、失業しても帰国できない、生活の保障もないという苦難に見舞われています。

 

◆非正規雇用労働者の均等待遇を勝ち取る春闘に!

 

2020年施行の改正パート有期法が2021年4月から中小企業にも適用されます。課題の多い法律ですが、使えるものは徹底して使って、闘いの武器にしていきましょう。

特に注目すべきは「企業の説明義務」です。民主法律協会が説明義務に関する要求書モデルを公開しています。職場での闘いに活用しながら均等待遇を目指そう!20条裁判の最高裁判決が出されました。手当の均等という成果と退職金などで差別を容認に分かれました。この現状を突破する運動の力が必要です。現場から闘いを積み上げよう。

 

最低賃金の大幅引き上げを実現しよう!

 

「8時間働けば人間らしい暮らしができる社会を!」が、この数年の春闘のスローガンです。そのために最低賃金大幅引き上げが重要です。最賃審議会の中だけでなく、地域で目に見える運動を展開して世論を高めていこう。現在の最低賃金制度は単身者がギリギリ今日を生きられる水準です。“いくら引き上げるのか”という発想では、なく、労働者が健康で人間らしく生きるために“いくら必要か”の発想への転換を迫ろう。ILO条約では「最低賃金は労働者と家族の生活に考慮する」としています。片親世帯の親子が安心して暮らせる水準に焦点化して、最低賃金全国一律1500円を実現しよう。

 

◆大資本の惨事便乗を許すな!

 

コロナ禍で、安全・安心な社会を創ることの大切さが実感されています。コロナ禍の惨禍の半分は人災です。新自由主義は企業の利益最優先で、利潤につながらない社会の諸要素をそぎ落としてきました。医療や福祉、雇用の安定が切り捨てられ、「生産性を高める」ために、労働者には際限のない競争と過重な労働が押し付けられています。

コロナ対策の予算は2020年度175兆円にのぼります。その中には「アベノマスク」のような政権中枢につながる企業へのバラマキといったセコイ政策も含まれますが、それだけでなく、大資本はコロナ禍をビジネスチャンスにしようと奔走しています。低成長で行き詰まっている資本主義をコロナ後の大規模な経済・産業の転換で乗り越え、さらなる利益を得ようとしています。社会に必要なモノやサービスを作り出す労働者を犠牲にする社会にはNO!を突きつけよう。

 

市民運動・社会運動とつながる春闘に!

 

3.11福島原発事故から10年になります。二度と原発事故を起こさせないこと、事故対応業務の途上で過労死した仲間の裁判闘争を支え、これ以上の過労死を食い止めること、福島事故終息への長い道のりの中で被曝を避けられない労働者が少しでも被曝をまぬがれるように努力を続けること、そして何よりすべての原発廃炉にすることが労働者・市民の生命と生活を守るために必要です。

自公政権は沖縄辺野古新基地建設をコロナ緊急事態の中でもなりふり構わず強行し、埋め立ての土砂を南部戦跡の周辺から採取しようとしています。沖縄戦で犠牲になった無数の住民や兵士の遺骨が埋まった土砂を新しい米軍基地のために投入しようという暴挙に沖縄の怒りは爆発しています。本土の私たちが自公政権の戦争政策に反対し、米軍基地建設を阻止しなければ、沖縄の人々に新たな苦難を押し付けることになります。

かつて大恐慌の時代、資本主義の行き詰まりは世界戦争による大規模な破壊と世界支配の再編で突破され、大資本は莫大な利益を得ました。犠牲は世界中の無数の労働者や農民に押し付けられました。とりわけ日本の植民地になった中国や朝鮮半島の人々の犠牲を忘れてはなりません。日本政府はいまだに謝罪も賠償もしていません。私たちは歴史の教訓を忘れず、労働者・市民が安心して働き暮らせる社会を実現するために、大資本の横暴と戦争に反対する闘いを前進させていこう!

 

◆地域で闘う春闘に!

 

ユニオンネットワーク・京都は企業の中だけでなく地域で闘うことを基本にしています。中小企業の99%に労働組合がありません。労働者の闘いの武器は団結です。闘いの武器を手にした数少ない労働組合の責任として、労働者の生命と生活を守る闘いを続けよう。最低賃金の引き上げもその一つです。職場で春闘を闘うと同時に、地域では最低賃金の大幅引き上げの闘いに取り組もう。

労働者の健康をむしばむ長時間労働や職場のハラスメント・いじめ・差別との闘いもますます重要になっています。戦争に反対し、核のない社会を目指すことも労働者の生命と生活に欠かせない課題です。地域の市民運動・社会運動と手を携えて奮闘しよう!

 

以上、決議する。

 

2021年3月27日 

21春闘勝利京都総決起集会参加者一同

 

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