大阪全労協コロナ危機で労働相談が急増 / 全労協新聞 2020年7月号

大阪全労協コロナ危機で労働相談が急増 / 全労協新聞 2020年7月号

 


 

コロナ禍に地域・職場で奮闘する全国の仲間たち 

 


大阪全労協コロナ危機で労働相談が急増

 

コロナ危機が深化する中で、労働相談が急増しています。とくに休業状態が蔓延化した四月以降、大阪全労協事務所にも連日相談の電話がひきも切らず、それに加えて全労協本部が設置しているフリーダイヤルを通して、さまざまな地域の労働者からも殺到するようになってきました。

 

また、NPO法人が主宰する全国一斉電話相談の対応にも加わり土・日も含めて対応した時もありました。そういったさまざまなチャンネルを通して、日常的に相談電話が毎日数多くかかってくる状態です。その多くをユニオンぜんろうきょうとケアワーカーズユニオンで取り組み、連日の打ち合わせ、団体交渉と、一人で数件の事案を抱え、担当者は限界近くまで走り回っています。

 

ただ、相談は、非正規労働者からの事案が多く、必然的に女性労働者からの相談が多数を占めます。パワハラ、解雇、休業補償を受けたい、あるいは、休ませてくれない、などの相談が多くを占め、職場も、工場、保育園、給食、理美容、歯科医院、接客業、スポーツクラブ、調理など、COVID19で、休職を余儀なくされた人や、いじめで辞めさせられた人など多種多様です。中には、経営者からの相談もありました。

 

派遣会社で働く労働者が厳しい状況です。ある派遣会社は大学図書館の納品業務を受託した途端にコロナ危機となり半数休業でしたが最近ようやく通常業務に戻りました。政府助成は申請する予定であるが、派遣会社のいつでも雇用打ち切りが常態化していることから、助成は最大とならず会社負担が大きいため、雇用継続はできない、として雇用切りが発生。派遣会社の特徴から政府助成はあっても働く労働者が職を失うという厳しい現実があります。

 

助成が間に合わないからか、手続きが煩雑なためか、助成制度があるにもかかわらず、休業手当を支給しない、解雇する、などの相談実態を見ると、この国がいかに人権感覚が貧困であるかを表しています。組合も一人ひとりの労働者もしっかりするべきだと実感します。

 

(大阪全労協事務局次長 上瀬豊)

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