BLM TOKYO(6月14日) / 全労協新聞 2020年7月号

BLM TOKYO(6月14日) / 全労協新聞 2020年7月号

 


 

BLM TOKYO(6月14日)

差別・排外主義と日常的な闘いを

 

六月十四日、「BlackLivesMatterTOKYO」が開催された。米国からの留学生が全世界で巻き起こる「ブラックライブズマター」の行動に連帯しようと呼びかけたものだ。

 

当日は、東京・代々木公園に三五〇〇とも五〇〇〇ともいわれる人たちが集まった。ケヤキ並木がぎっしりになるほど大勢の人で、渋谷〜原宿を一周するマーチを行った。留学生や海外からの移住者家族の参加が目立った。いても立ってもいられない気持ちだったのだと思う。

 

米国ミネソタ州ミネアポリスで五月二十五日にジョージデレック・チョーヴィンという白人警察官がアフリカ系男性のジョージ・フロイドさんの首を八分四六秒に渡っておさえつけて虐殺をした。この権力犯罪を機に全米で抗議行動が大爆発し、その運動は欧州から世界全体に波及していった。

 

米国では、十万人あたりのコロナウイルスによる死者が五四・六人(米国の調査会社APMリサーチ調べ)にのぼるとされ、他の人種の二倍以上となっている。そうした差別や貧困、公権力によるむきだしの暴力が現在においても根強く存在し、日々多くのアフリカ系住民が傷つけられ、様々な形で命を奪われている。

 

「ブラックライブズマター」のスローガンは「黒人の命が大事」と日本語訳されたりしている。人種を越えた広範な人びとの抗議行動を前に、トランプ大統領は暴力的な弾圧で応え、米軍の出動を正式に要請しながら、「極左集団」や「アナキスト」が「暴動」を煽動しているなどと悪罵を投げつけている。そうしたトランプ大統領ファシストのような姿勢に対して、与党・共和党内からはもちろん大統領経験者や国防長官経験者などからも批判がおこり、警察内部からデモに共感を示す者まで現れた。この行動の参加者は「もうたくさんだ!」と叫んでいる。シアトルでは民衆による「自治区」が創造されているとの報道もある。

 

全労協に結集する組合の多くはずっと移住労働者・外国人労働者とその家族たち一緒に運動を組織してきた。一九九三年の外国人春闘を機に、共闘共生の内容が方針化され、今ではけんり春闘全国実行委員会の行動の一環として「マーチ・イン・マーチ」が定着している。おりしも六月下旬に全労協の仲間でもある鳥井一平さんの単著『国家と移民外国人労働者と日本の未来』(集英社新書)が発売された。運動の到達点と課題を捉えつつ、天皇制や植民地主義が根源となって発生する様々な差別や排外主義、小池都知事による関東大震災朝鮮人虐殺追悼式典への追悼文送付拒否にみられるような歴史修正主義、在日・滞日外国人を苦しめる入管体制との日常的なたたかいに取り組むことで、国際的な反差別闘争に応えていきたい。

(全国一般東京南部渡辺学

 

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