コロナ対策口実の改憲策動を許さない / 全労協新聞 2020年6月号

コロナ対策口実の改憲策動を許さない / 全労協新聞 2020年6月号

 


 

 

5・3憲法集会
コロナ対策口実の改憲策動を許さない

 

今年の「平和といのちと人権を!5・3憲法集会」は新型コロナウイルスによる感染拡大が心配され、政府による緊急事態宣言が発せられ中、国会正門前に舞台を設置して少数の代表者のみが参加して開かれた。そしてその模様は全国にインターネットを使って中継され、安倍首相による憲法改悪を決して許さない決意を確認した。

 

この数年は五万人を超える労働者市民が東京有明の臨海防災公園に結集して憲法を守れ、安倍政権は退陣せよと声を一つにして闘いをつくってきた。二手に分かれたデモ行進も実施してきた。

 

新型コロナウイルスによる感染は政府の無策によって全国に波及し、特に首都圏の状況はピークを迎え多数の死者も出す状態となり、これ以上の感染拡大をさせてはならない対応が求められた。そのため、やむを得ず、厳密に参加者には感染防止対策を求めて小集会とし、その模様を全国に発信した。

 

舞台では朝倉むつ子(法学者・早稲田大学名誉教授)、堀潤さん(ジャーナリスト)、稲正樹さん(憲法学者)が発言に立ち、古今亭菊千代さん(噺家・真打)のメッセージが紹介された。皆さんそれぞれ、コロナ対策に右往左往して有効な手を打てないばかりか、しごとを奪われている労働者やフリーランス、やむなく休業を強いられている中小零細企業の経営者や学生に対する政府からの救援と補償の必要性を訴えるとともに、尚どさくさに紛れて九条改憲を目論む安倍首相を厳しく糾弾した。そしてコロナ感染症に対応するためとしてファッショ的な国民統合に警鐘を鳴らした。

 

安倍首相は今年も日本会議系の改憲集会にビデオメッセージを送り、コロナウイルス対策に必死となっている苦労している人びとに背を向けて改憲への執着ぶりを披露している。決して許してはならない。感染症対策で厳しい対応を迫られながら、全国でも様々な取り組みが行われた。更に護憲の闘いを強化し、安倍首相に退陣を迫っていく必要がある。