全労協/ 格差是正求めて154人が集団提訴 / 新聞 2020年3月号

全労協格差是正求めて154人が集団提訴 / 新聞 2020年3月号


 

 

郵政産業労働者ユニオン

雇用契約による不合理な

格差是正求めて154人が集団提訴

 

郵政ユニオンに所属する非正規社員が有期雇用契約による不合理な格差の是正を求めて、全国一斉に集団提訴を起こしました。二月十四日に一四六人が札幌(六人)、東京(五七人)、大阪(五七人)、広島(一一人)、高知(七人)、福岡(八人)の六地裁に提訴。十八日には八人が神戸(四人)と長崎両地裁(四人)に提訴しました。※()内は原告数。弁護団は総勢四三人で、損害賠償請求の総額は約二億五、〇〇〇万円になります。

 

郵政ユニオンは昨年八月に「労働契約法二〇条に基づき手当等の支払いを求めた要求書」を日本郵便とゆうちょ銀行二社に提出しましたが、会社から全く誠意ある回答がありませんでした。また、二〇一四年春に提訴した東西二〇条裁判(現在、最高裁で係争中)の地裁、高裁判決で違法とされ、損害賠償が認められた手当と休暇が訴えた十一人の原告にしか効力が及ばないことから、その成果を活かし、広げるために提訴しました。請求項目は、東西二〇条裁判において地裁、高裁判決で認められた①住居手当、②年末年始勤務手当、③夏期・冬期休暇、④年始の祝日給、⑤有給の病気休暇、⑥扶養手当と地裁、高裁判決では認められなかったものの正社員との間で著しい格差がある⑦賞与(夏期・年末一時金)についても請求しました。賞与の「格差是正」の請求は原告のみならず、郵政で働くすべての非正規社員の共通の思いです。札幌地裁と東京地裁では新たに⑧「寒冷地手当」を追加しました。

 

今回の裁判では、二〇一六年十月に制度改正され、翌年の四月からスタートした「無期転換」の期間は争わず、有期雇用契約期間のみを請求の対象にしました。したがって、原告も半年ごとの無期転換した時期により、請求の期間が異なります。たとえ、請求期間が短くなったとしても、一五四人の非正規労働者が立ちあがりました。本当に勇気ある決起です。

 

全国一斉提訴当日、郵政ユニオンは早朝の全国ビラの配布、各裁判所前での提訴行動、記者会見、報告集会と多彩な行動を取り組みました。全国各地のその取り組みは多くのマスコミに取り上げられました。当日のテレビニュース、翌日の新聞と大きく報道されました。「非正規差別NO!均等待遇YES!」の横断幕、郵政ユニオンの旗と腕章もばっちり映り、何よりも原告となった非正規組合員のコメントは力強く、素晴らしいものでした。

 

集団訴訟の闘いは郵政だけでなく、非正規四割の日本の雇用社会を問い、均等待遇の流れをさらに大きくしていくたたかいです。多くのみなさんのご支援をお願いします。