全労協20けんり春闘勝利! / 新聞 2020年1月号

 

 


●20けんり春闘発足総会・学習集会

貧困・格差・差別を許さない!
8時間働けば暮らせる社会を!

誰でもどこでも
時給1500円 月額25万円

 

 十一月二十九曰、20けんり春闘全国実行委員会は「20けんり春闘発足総会・学習集会」を全水道会館で開催した。全労協・全港湾・全造船関東地協労組・中小労組懇談会・大阪ユニオンネットを代表幹事組合に、事務局長を中岡基明全労協事務局長とする闘争体制、20春闘方針を確認した。

 

 第一部の発足総会は東京全労協森田裕二副議長の司会で開会、代表挨拶は民間中小労組懇談会の平賀雄次郎共同代表が行い、賃金闘争を再構築する20春闘を共に闘おうと訴えた。中岡基明事務局長は議案提起で、OECD統計では時間当たりの賃金が先進国で唯一日本のみ低下し二〇〇八年を起点とする二〇一八年の賃金は八二%に下落していると指摘、どこでも誰でも「月額二五万以上、時給一、五〇〇円以上の最低賃金保障」を柱とする春闘要求と行動提起を行い、結集して闘いを進めようと訴えた。一部の最後に全日建運輪連帯労組の小谷野毅書記長から関西生コン支部への空前の弾圧事件について特別報告が行われ、満場の拍手で支援・連帯か確認された。

 

 第二部の学習集会は司会を全国一般東京南部中島由美子委員長に交替、同委員長は前回二十八日に言い渡された東京高裁で「マタハラ裁判」の不当判決について厳しく怒りの批判を行った。学習会は講師の稲場雅紀氏(市民社会ネットワーク政策担当顧問)から「SDGs=これからの労働運勣のヒント」と題した講演が行われた。

 

 SDGs(持続可能な開発目標)とは、二〇一五年九月に国連で採択され、二〇三〇年の年末に向けた世界の指針「持続可能な国際目標」であること、十七のゴールと一六九のターゲットがあり、日本を合む世界の一九三力国が賛同している。また稲場氏は、SDGsは南米のコロンビア共和国に起源がありアフリ力の国々が外交交渉をリードして、その精神の「貧困をなくすために誰ひとり取り残さない」ことが重要であると指摘した。さらに、安倍首相を本部長に推進本部を内閣に置き、ソサエティ5・O」により自然に社会が変わるとする日本の滑稽さに触れ、とくにジェンダーヘの取り組みを例に小気昧よく批判した。講演の最後には、労働組合に対して言及し、賃上げや労働条件の向上確立など本来の労働組合の役割の強化が必要なこと、政府・資本家より労働組合こそが「(持続可能な)生産と消費、企業の社会的責任」について実践、チェックが求められていると期待を述べられた。熱心な組合員から質疑応答も行われ、20春闘の重要性を確認できる意義ある講演となった。

 

 最後に参加労組の決意表明に移り、官公労から全水道東水労の久保聡書記次長は、十二月二十日に二時間ストを構えて闘っている最中の秋季年末闘争の報告を行い、民間労組から全日本港湾労働組合の松永英樹書記長は、20春闘の賃上げは月二万から二万五千円を要求する提案の準備と、女性にも開かれた労働環境を整備するため全国の仲間と闘う決意が表明された。また二〇条裁判を闘う郵政座業労働者ユニオン日巻直映委員長は、第一次訴訟の成果を全ての郵政非正規労働者へと第二次訴訟を準備している。差別を許さず権利を闘いとる20春闘にしたいと力強い決意表明が行われた。

 

 総会と学習集会は司会の中島由美子委員長の閉会挨拶の後、全造船関東地協労組の宇佐美雄三共同代表の団結ガンバロウで締められ、20けんり春闘が開始された。

 

(東京全労協中原純子)