全労協/ 国は不当な放射線管理を正せ / 新聞 2019年10月号
国は不当な
放射線管理を正せ
八月二十八日、東京で脱原発学習会が開催された。国の放射線管理をめぐる不当な対応が明らかにされた。現行法令では、自然や医療行為以外で一般公衆が一年間にさらされても受忍すべきとされている人工放射線量の限度は一ミリシーベルト。年間で五ミリシーベルトを超える区域には、許可なく立入ることは禁止、放射線測定義務、一八歳未満の者の労働禁止、「放射線管理区域」明示をすることになっている。にもかかわらす国は、福島原発事故の被害地域住民に対し年間二〇ミリシーベルト迄の地域の人には避難・移住を許さない-その中には年20ミリシーベルトを超える場所のあることを分かっていながら。
収束・廃炉作業や除染作業従事者は、被ばくによる長期にわたる健康不安を抱えざるを得ない。白血病の労災認定基準は年間五ミリシーベルトの被ぱく(一年超後)とされているが、放射線業務従事者に強要されている被ばく限度は、何と年間二〇ミリシーベルト。しかも、その一人ひとりの被ばく線量の測定や記録、周知の実態は極めていい加減である。それでも国は、がん等の発症等の危険で有害な作業にもかかわらず、「健康管理手帳」(労働安全衛生法第六七条)の交付対象から放射線業務を意図的に排除してきた(交付されれば、国の費用で特殊健診を受けられる)。
ところが同じ被ばく労働に従事した国家公務員にだけは、国は健康管理手帳を交付する義務がある(人事院規則一〇一四の第二六条一項)。その扱いの不平等を許すことはできない。年平均五ミリシーペルト等の要件を検討し、離退職後も無料で電離健診等が保証されるべきです。
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