全労協/ 除染現場で労働相談 / 新聞 2019年1月号

全労協除染現場で労働相談 / 新聞 2019年1月号


福島原発事故を風化させない

●全国一般いわき自由労組
除染現場で労働相談


福島第一原発事故を受けた国の除染事業を請け負う大手ゼネコン・清水建設の下請け企業相双リテックは、大熊町などの帰還困難区域の家屋解体にあたり、汚染された廃棄物をその場に穴を掘って埋めていました。

相双リテックは、清水建設のフクシマ現地役員と癒着し、除染作業や家屋の解体作業を他の業者より遙かに高額の料金で請け負っていました。安倍の出身派閥清和会の政治資金パーティーで、相双リテックが大量のパーティー券を買ったのが暴露された結果、相双リテックは清水建設に切られ、全ての除染作業や家屋の解体作業から排除されました。しかし、事態はこれだけでは終わらず、相双リテック系の全ての下請け業者が契約解除で排除されることになり、全体で、数百人の雇用が失われる事態となりました。相双リテックの子会社で放射能汚染地帯の警備と派遣事業を請け負っていたアムーブは、「仕事がなくなった。明日から来なくてよい。」と突然全従業員に通達し、事実上の解雇を行いました。

私たちの組合に相談に来た従業員によって、就業時間の一時間前に朝礼を強制され未払い残業代があることが発覚し、解雇とは言ってもアムーブが退職手続きを全く行っていないことが判明しました。従業員は直ちに組合に加盟し団体交渉を行い、組合の追求に、「解雇ではない、待機だ。」と弁明したアムーブは、待機中の手当の支払いと未払い残業代の支払いを約束しました。