郵政 雇止め解雇裁判に完全勝利 / デイベンロイ争議解決 全労協新聞 2012年10月号 4面

全労協新聞 2012年10月号 4面
 
 


郵政産業労働者ユニオン
雇止め解雇裁判に完全勝利
岡山支店の萩原さんを職場へ
 
 
二〇〇八年三月三十一日付で、郵便事業会社岡山支店の期間雇用社員・萩原和也さんが軽微な交通事故を数回起こしたことを理由に雇止めを強行された。この雇止めに対し、萩原さんは絶対に納得できないと裁判提訴を決意し、岡山支店の正規・非正規の仲間が「萩原さんを支える会」を結成、全国の多くの仲間が「支える会」に結集し、裁判闘争が闘われた。

岡山地裁は、会社側の主張をそのままに「請求棄却」の反動判決を行ったが、当然控訴し、二〇一一年二月十七日、広島高裁岡山支部において原告主張をほぼ全面的に認め、解雇不当との原告全面勝利の判決を勝ち取った。しかし、被告会社は、不当にも最高裁へ「上告受理申立」を行った。

その「上告受理申立」に対し、最高裁は二〇一二年九月十四日付で「上告申立不受理」を決定した。これで、萩原さん解雇不当との高裁原告全面勝利判決が確定することになった。最高裁は、高裁の解雇不当との判決を「問題なし」とし、上告申立を受理しなかったのである。

高裁判決は原告側の主張をほぼ全面的に認め、郵政は公社(期間雇用社員も身分として国家公務員)から民間会社となったが、その雇用は継続していると正当に判断した。その根拠となったのは、仕事内容・労働条件等は変わりなく継続、期間雇用社員も基幹的業務を行っているなど、期間雇用社員の置かれている実態を正当に評価したものであり、また、雇用継続希望者はほぼ全員雇用継続されている実態も重視し、「解雇権濫用法理の類推適用」をすべきと判断したのである。

そして、会社が解雇理由に挙げた数回の交通事故についても、軽微な事故であることも含め、「懲戒規定及び従来の処分の実情」からも「到底雇止めないし解雇すべき場合に当たらない」とした。

まさに、原告全面勝利であり、郵政二十万人期間雇用社員に大きな励ましとなる勝利となった。
 


 
●全国一般東京東部労組
デイベンロイ争議解決
組合員全員の雇用継続
 
 
東京都大田区の大森本社工場閉鎖をめぐり争議が続いていた全国一般東京東部労組デイベンロイ労組支部は八月二十四日、東京都労働委員会で会社側デイベンロイリネンサプライとの和解協定書を締結しました。

工場閉鎖に直面しながらも最後まで闘った生産部十七人の組合員の継続雇用が実現しました。今後は十七人が通勤できる場所(大田区東糀谷)に職場を移転し、そこで働くことになります。仕事内容も十七人の希望通りの業務を認めさせました。さらには十七人のうち一人は会社の制度上で定年退職の六八歳を今年迎えるものの引き続きの雇用延長を約束させました。

団結の拠点である組合事務所も移転地に再設置することになりました。また、会社が組合に解決金を支払うことにもなりました。

工場閉鎖自体は実施されるものの組合員の実質的な雇用保障を勝ち取ったことが最大の成果です。解雇の脅しや目先のカネに屈することなく仲間を裏切らなかった十七人の組合員を私たち東部労組は心から誇りに思っています。労働者にとって労働組合こそ最強のセーフティネットであること、団結して闘えば必ず活路は切り開けることを身を持って実証しました。

パートの女性労働者を先頭に四月五〜九日の五日間にわたって敢行したストライキ闘争を頂点に、労働委員会闘争や親会社サニクリーンに対する「使用者概念の拡大」闘争など多様な戦術を駆使して闘いました。最終局面では職場占拠闘争に突入する決意で闘ったことが経営者の譲歩を引き出しました。同時に全労協加盟の友好労組の皆さんには何度も支援に駆けつけていただきました。皆さんの献身的な支援があったからこその成果です。

今後は、和解したとはいえデイベンロイ労組支部には新しい職場での激烈な闘いが待っています。十七人の組合員をはじめ営業部、商品管理部、庶務課など五四人の支部で再出発します。もう一度「多数派」を勝ち取るために奮闘していきます。デイベンロイ労組支部への引き続きの支援をよろしくお願いいたします。
 


 
(F)