全労協第33回定期全国大会開催 / 全労協新聞 2021年12月号

全労協第33回定期全国大会開催 / 全労協新聞 2021年12月号

 


#全労協

全労協第33回定期全国大会開催

 

全国各地の闘いを共有し

共に全労協運動を進めよう

 

全国労働組合連絡協議会 議長 渡邉 洋

 

 

 全労協定期第三三回全国大会は当初九月末に予定していたが、新型コロナ感染拡大の影響で開催は二ヵ月先送りとなった。大会会場は東京・全水道会館において、十一月二十八日(日曜日)の一日開催。各組合の年末スケジュールや春闘準備とも競合するなかでの開催だったが、現地参加、Web参加併用で真摯な討論を交わすことができた。

 

 討論の詳細については大会報告(二面)を参照されたいが、いくつかの特徽点について、代議員から指摘されたものも含めて紹介する。

 

豊富な争議報告は全労協運動の真髄

 

 今回の大会では一七人の発言者があった。発言ではその過半数が、地域や職場で取り組んでいる争議や裁判・労働委員会闘争についてのものだった。他にも、最低賃金を巡る取り組み報告、均等待遇を巡る労使交渉報告、労働相談活動のようすなどが活発に報告された。争議に関する発言はそれぞれの現場の貝体的な報告であったり、支援の要請であったりする。あるいは、争議が直面する困難性についての問題提起だった。

 

 この大会発言の「偏り」を、私たちは全労協運動の真髄とみるべきだろう。この姿こそが、加盟組合のそれぞれが、日常的に、最も弱い立場に置かれている仲間に頁摯に寄り添い、その権利の防衛・獲得に全力で取り組んでいることを反映したものだからだ。

 

 組織の規摸として全労協が小さいことは否定できないが、多くの争議を引受支え合っていることが、日本の労働運動を底辺で支えている。その自負を堅持した上で、支え合いの裾野をさらに広げる努力を怠ってはならない。

 

団結とは何か?議論の深化を!

 

 「支援している争議の中に分岐の兆候か見られる」との深刻な報告もあった。経営側は、非妥協的な労働組合を職場から排除するために様々な攻撃を仕掛ける。闘いが暗礁に乗り上げると、個々の被解雇者と当該労組の中に様々な葛藤が生ずる。しかし闘いはあくまでも、被解雇者を守ると同時に、排除されようとしている労働組合を守る闘いでなければならない。

 

 全労協は結成当初から国鉄闘争に深く関わってきた経過を踏まえ、当該労働組合の団結の維持・強化を支えなければ経営者側を利するだけ、との確信を待って、当面する事態に対応していく。

 

ジェンダー平等を保障する環境を!

 

 今回のもう一つの特徴は、全労協の組織実態がジェンダーバランスを欠いているという指摘だろう。

 

 解雇争議の現場では女性労働者の比率が高いのに、組合役員になると圧倒的に男性が多い。全国常任幹事会の構成を見ると女性の比率はさらに下がり、三役では皆無となる。これは、連合、全労連が女性をトッブに据えたこととあまりに対照的だ。

 

 「形式的に女性を据えても意昧がない」という発想が私たちの中にありはしないか。これではクオータ制を「逆差別」と揶揄する輩と何も変わらない。女性が当たり前に全労協運動を担っていくことを妨げる要囚をあぶり出し、克服する取り組みが問われている。今回の議論を契機に、意識的に取り組みを強化したい。

 

 

労働者への犠牲の強要を許さない

 

 コロナ不況の中で、広がっていた格差はますます拡大され、仕事を失った人びとが多く生み出された。その多くが女性や外国籍の人びとと言われている。女件の自殺者数が増えているという悲しい続計も明らかにされている。逆に、医原・介護・保険行政労働者を始め、過酷で危険な労働、際限のない長時間労働を強いられた人びとの苦しみが社会に満ちあふれている。

 

 こうした労働者を取りまく諸課題に、私たちは取り組んでいかなければならない。一方で政治は、改憲勢力が三分の二を超え、極端な新自由主義的立場に立つ政党が伸長した。大会での議論を通じて、労働者市民の犠牲の上に延命を図ろうとするこの社会のありように抗う強固な陣形を作ることを確認し合いたい。