女性が人らしく生きる権利を / 全労協新聞 2021年8月号

女性が人らしく生きる権利を / 全労協新聞 2021年8月号

 


#全労協


女性が人らしく生きる権利を
仲間と声を上げ続けよう

 

 私は定期健康診断を行う仙台市の会社で事務関係の仕事をしています。

 突然の原稿の依頼に、自分が働いている職場内で細々とした活動を主にやっている私は、はて何か書く事があるかしらと戸惑ってしまいました。思い出したのは労働組合に入ったきっかけです。

 私は二〇代で婦人科の病気が見つかり、妊娠が難しい事を知りました。そして、同じ疾患を持つ患者同志が集い繋がれる自助グループの立ち上げメンバーに加わりました。その中で、リプロダクティブヘルツ/ライツ活動と出会います。

 この活動は、女性の性と生殖に関する健康と訳されますが、奴隷のような婚姻制度や、家長による名誉殺人、性器切除などのおぞましい課題についての実感が乏しいこの国では、女性がその人らしく生きる権利を求めていたように思います。私はそこで、自己決定権や自尊感情というものを学んでいきました。

 その大きな活動の輪の中に、なんと職場の先輩がいたのです。彼女はDV被害者のための電話相談とシェルターの運営に携わっていました。入り□は違っていましたが、私たちは同じ目的、女性の自立を目指す活動をしていたのです。

 実は、労働組合に入らない?と声をかけてくれたのは別の先輩です。先の先輩は活動している姿を見て、職場での私の雰囲気と違うと感じ、誘うのをためらっていたと後で聞きました。

 私も職場で男性上司の顔色を伺って仕事をしていた時期がありました。今はもうそんな働き方はしていません。私は権利があると知っ
たのです。

 本当は、男女、その他関係無く権利は皆にちゃんとあるのです。曰本の憲法で、全ての国民は健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有すると定められています。自分らしく個人が尊重され、健康で文化的な生活が今おくれていないならば、国や政府や権力者がちゃんと個人の権利を守ってくれていないのです。

 権利は黙っていると、どんどん狭められていきます。権力者はそのほうが管理し易いし都合がいいからです。そして一人の意見は、その他大勢は何も文句を言って来ないのだからお前だけが変なのだと決めつけてきます。本当はあちこちから声が出ているに、繋がらずに分断されている状態にも見えます。

 私たちには権利があります。ですがそれは主張しないと短期問で無くなってしまうかも知れないのです。

 仲間と共に声を上げ続けていきたいと思っています。


全国一般宮城合同労組副委員長
宮城合同労組宮城保険会館支部

及川栄子

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