緊急事態宣言下の大阪市の教育状況 / 全労協新聞 2021年6月号

緊急事態宣言下の大阪市の教育状況 全労協新聞 2021年6月号

 


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緊急事態宣言下の大阪市の教育状況

突然のオンライン授業で
混乱した学校現場


 松井大阪市長(維新)は四月十九日、緊急事態宣言中は小中学校で原則「オンライン授業」を実施すると発表、学校現場は混乱に陥りました。

 私の勤める市内の中学校では、午前の一・二時限目は自宅学習、三限目の午前十一時半から登校して一時間授業の後給食、午後は二時間授業をして下校という変則な時間割になりました。

 中三の社会料の授業時数は週四時間ですが半分の二時間になってしまい、これでは来年の高校入試までに教科書の範囲が終わるかどうかはなはだ心もとない状態です。しかも、そのオンライン授業も全市一斉に行えば回線がパンクしてしまうため、各区ことに曜日を決めて、週に一回一時間だけの授業です。

 タブレッドも一人一台全員にいきわたっているわけではありません。また、オンライン授業は授業時数にカウントしないため、年間の授業時数が大幅減となり、昨年に引き続き今年も夏休みの短縮が検討されています。昨年は八月七日まで授業があり、二十五日から二学期がスタートしました。

 一方、大阪市以外の府内の市町村の小中学校は、午前、午後とも通常通りの授業をしていて学校間格差は広がる一方です。そんな事態が一ヵ月続いた五月十八日、松井市長は二十四日から通常授業に戻すと発表、「オンライン授業は大げさでやりすぎているかもしれない」と自らのパフォーマンスを認め「児童には対面授業か一番」と居直っています。

 現場ではオンライン授業の準備にどれだけの多大な時間を費やしたか、まさに「失われた一ヵ月」でした。市長の教育内容への介入、教室も四十人学級の三密のままというのが、今のコロナ下の大阪の教育現場の実態です。

(大阪教育合同労組執行委員 山口昌孝)

 

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