第92回 日比谷メーデーアピール

 

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第92回 日比谷メーデーアピール

 

 第92回日比谷メーデーに結集した闘う労働者の皆さん。

 私たちは本日、2年ぶりに日比谷野外音楽堂に多くの組合員・家族が結集して、働く者の生活と権利、平和と民主主義を勝ち取る集会を開催し、労働者の賃金をはじめとした労働条件の改善と地位向上、不当な解雇や争議の解決と勝利、世界の平和とひとり一人の人権が尊重される社会の実現をめざすことを確認しました。昨年の第91回メーデーは、日本のメーデー100年の年でしたが残念ながら新型ウイルス感染症が拡大する中、日比谷メーデー実行委員会は集会を縮小する状況でも5月1日のメーデー開催にこだわり、代表参加での開催ではありましたがメーデー式典の開催・Web発信と街頭でのスタンディング行動でメーデーの取り組みを行いました。

 今、世界的に蔓延する新型コロナウイルス感染症により私たちの生活は、これまで経験したことのない生活と「自粛」、「自助」=「自己責任」という言葉で、労働者・市民にコロナ禍の矛盾と犠牲を押し付けられています。安倍・菅政権が拡大させた格差と貧困は、新型コロナウイルス感染症拡大・蔓延する中、働きたくても働くことさえ許されず、生きていくことへの危機感が募っています。年末年始に行われた「年越し支援・コロナ被害相談村」、3月の「女性による女性のための相談会」では、働くこともできず、食べるところ・住むところもない等、「公助」「共助」が必要な状況が露わとなりました。今こそ、誰ひとり取り残されない社会を実現しましょう。

 新型コロナウイルス感染症拡大防止対策を口実にした時差勤務の拡大、在宅勤務型テレワーク、モバイルワークは、時間や場所に捉われない多様で柔軟な働き方を推し進め、本来使用者が果たすべき労働時間管理を曖昧にして、労働者自身にその責任を転嫁させようとしています。また、首切り・解雇、契約打ち切り、雇い止め、内定取り消し、職業差別と人権侵害を許さず、命と健康、生活と権利を守り、すべての労働者と中小経営者への休業補償と生活保障を実現しなければなりません。

 菅政権も前安倍政権同様に、菅首相に近いお友達と自らの保身と権力を守ることのみに固執し、労働者・市民が真実を知り生活と権利を守る闘いに、声さえも聞くことなく、答えない、説明しないなど、国会の中で労働者・市民を欺き議会制民主主義の根幹を歪めています。

 また、朝鮮半島と東アジアの危機感を煽り、平和国家としての歩みを止め戦争へと向かう動きを強め、生活保護社会保障費を切り捨てて軍事費を増大させ、辺野古新基地建設や南西諸島への自衛隊基地建設、ステルス戦闘機の大量購入、護衛艦「いずも」型の「空母」化など、憲法改悪を射程に「戦争をする」国へと突き進んでいます。

 さらに、「脱炭素社会」の実現を掲げて、原発事故からの復興すら見通せない中で原発の再稼働・建設を進めることを明言し、汚染水の海洋投棄や原発事故被災者・避難住民の人権を無視した棄民政策がまかり通ろうとしています。原発の押し付けと沖縄への基地押し付けを許さず、民意を踏みにじり民主主義、地方自治も破壊しようとする菅政権に抗して、平和と人権、民主主義を守る闘いが、今私たちに問われています。

 私たちは、すべての労働者の要求実現に向けストライキで大幅賃上げ、非正規労働者の均等待遇、最低賃金の引き上げを要求すると共に、労働法制の大改悪に反対して雇用破壊を許さず労働者保護のために闘っていきます。

 未組織労働者・非正規労働者外国人労働者の低賃金と労働条件全般の改善、技能実習生をはじめ移住労働者の権利確立、生活向上のために支援連帯を強め、すべての争議の勝利を実現し、労使対等原則が担保された多民族・多文化共生社会をめざします。

 ミャンマー軍事クーデターによる民主主義の破壊や香港の民主化運動圧殺など、圧政に抗して闘う世界の人々と国際連帯を強化して、働く者の団結で生活と権利、平和と民主主義を守る闘いに決起していきます。そして、人間としての生きる権利を確立し、平和で民主的な社会を創るために、菅政権を打倒しましょう。

 今こそ、貧困と格差社会反対、憲法改悪反対、震災復興、脱原発、平和と民主主義を掲げ、すべての労働者市民、そして戦争に反対する全世界の人々と手をつなぎ、ともに闘っていきましょう。

 私たちは、メーデーを「闘いの広場」と位置付け、統一メーデーの実現を求めてきましたが、コロナ禍で多くの労働者と市民が苦しい生活を強いられる状況下、残念ながら統一メーデーを実現することができませんでした。今一度、すべての労働者の幅広い結集と一層の団結を深め、闘いを進めていくことを確認し、第92回日比谷メーデーの成功を宣言します。

2021年5月1日
 
第92回 日比谷メーデー実行委員会

 

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