全労協/ 災害時に対応できる直営の技術継承を / 新聞 2019年12月号
台風災害と労働者・労働組合
災害時だからこそ問われる現場力
公務公共サービスの充実と技術継承を
全水道東水労
災害時に対応できる直営の技術継承を
十月十二日に東京を直撃した台風一九号は、世田谷での多摩川の堤防越流に加え、あまり報道されていないが、西多摩の日の出町、奥多摩町では大雨により道路が崩落、埋設されていた水道管が流失し、奥多摩町ではほぼ全域の約二六〇〇戸(全世帯数の約九八%)が長期断水した。
他の自治体の応援を含む応急給水をはじめ、流失した水道管路の応急復旧作業に当該地区を管轄する局事業所約五〇人の職員に加え、過去に当該事業所に在席した職員が協力しながら復旧作業にあたった結果、完全断水(十月十五日)から九日後の二十四日までに復旧作業を完了した(今回は応急復旧であり本格復旧は今後)。
応急給水作業は、隣の青梅市で給水車に補給しながら、各戸へ飲料用のポリタンクを配布し指定された拠点給水ポイントと定期的に給水車を巡回させた。また管路の復旧は、奥多摩町の水道に精通する局職員が少なく、五人程度の職員で、朝晩問わず実質一五〜一八時間の勤務を強いられながら早期復旧に向け作業を続けた。
奥多摩町という地域特性もあるが、災害発生時に指揮・命令系統が混乱したことに加え、現場状況を判断・対応できる職員が少なく、一部の職員に相当な負担を強いることとなった。東水労は引き続き、災害時に対応できる直営の技術の担い手の必要性を訴えていく。
(全水道東水労本部委員伊藤正樹)