講演会「関東大震災 朝鮮人虐殺といま」(大阪) / 全労協新聞 2017年12月号

講演会「関東大震災 朝鮮人虐殺といま」(大阪) / 全労協新聞 2017年12月号


講演会「関東大震災 朝鮮人虐殺といま」(大阪)

目を背けてはいけない 耳を塞いではいけない
朝鮮人虐殺の歴史に学び 真実を究明する運動を


見渡す限り満席で、参加者の熱い熱気が立ち込める、けれど、講演者が話を進めていくたびに会場は、しんと水を打ったように静まり返り、その語られる<真実>にみなの心は激しくかき回されている--この日の集会の様子を表すとこのようなものでした。

11月6日、エルおおさかで開催された「関東大震災 朝鮮人虐殺といま」と題された講演会は、毎月6の日に普段は屋外集会・デモを主催している戦争あかん!ロックアクションが今回は屋内での講演集会として企画したものです。

東京でずっと事実の掘り起こしに携わって来られた西崎さん(一般社団法人ほうせんか理事)のデジタル映像と紙資料を駆使した関東大震災の時の朝鮮人虐殺に関する一つ一つの事例証言の紹介は、目を背けてはいけない、耳を塞いではいけない、と思いながらも心が苦しくなる内容でした。

どうして、日本人がこの時にこんな大虐殺を展開してしまったのか。私たちは、その責任から逃れるわけにはいきません。

文さん(NPO法人多民族共生人権教育センター)からは、大阪市でのヘイトスピーチ対処条例についての成立の経緯と運動の課題について話をされました。

常に視点を前に、未来に向けて話される文さんも、やはり「なぜこの運動にかかわったか、それは自分の子どもが殺されないようにするためだ」と言われました。

東京では、今年、朝鮮人犠牲者の慰霊集会に小池知事が初めてメッセージを拒否しました。これは、首長自らが「朝鮮民族は殺されても構わない」と堂々とヘイトスピーチを発しているのと同じです。

大阪市も条例策定をする一方で、吉村市長が日本軍性奴隷問題で国際的にヘイトスピーチを発信しています。

そんな現在の状況だからこそ、歴史に学び、真実を究明して運動の糧としていく今回のような集会は非常に大きな意義を持つものでした。

(大阪教育合同労働組合