１．全労協Fax情報1711
福井地裁・林潤裁判長の政府迎合・不当決定糾弾！
関西電力・高浜原発の再稼働は許されない！
１２月２４日、福井地裁・林潤裁判長は関西電力・高浜原発３、４号機の再稼働の差し止めを認めていた仮処分を覆し、その取り消しを認める決定を行った。安倍政権と原子力ムラに迎合したものであり、許すことはできない。
２０１１年３月１１日、東日本大震災によって福島第一原発は大爆発を起こし、未だ放射能をまき散らし続けている。放射能に汚染された地元、福島の人々は生活を再建することができないばかりか、自宅にも立ち入ることができない状態が続いている。１０万人余の人が避難生活を続けている。一度事故を起こせば人間によってコントロールは不可能となり、何十年も放射能を出し続け、自然を破壊する「核物質」の本性が明らかになったばかりである。もろくも崩れ去った「原発安全神話」を林裁判長は鉄面皮にも再びゾンビのごとく蘇らせようというのである。
今年４月、同じ福井地裁の樋口英明裁判長は、３・１１によって原発の安全性は神話に過ぎなかったことが明々白々であること、規制委員会の新基準は緩すぎると判示して再稼働を差し止めたのである。
樋口裁判長は、大飯原発の差し止め訴訟において、「原発は経済活動に過ぎず…運転停止によって多額の貿易赤字が出るとしても、これを国富の流出や喪失というべきではなく、豊かな国土とそこに国民が根を下ろして生活していることが国富であり、これを取り戻すことができなくなることが国富の喪失である」と核エネルギーに依拠した原発の非人間性を明確に指摘してきたのである。
ところが、安倍自民党や財界が原子力ムラと一体となって３・１１福島第一原発の事故がなかったかのように原発再稼働や原発輸出を強力に推し進めてきた。
９月には、九州電力・川内原発を再稼働させ、１２月、安倍首相自ら乗り出してインドとの原子力協定を結び原発の輸出を合意してきたのである。インドは核不拡散条約（ＮＰＴ）に参加しておらず、核実験を行ったきた国へ原爆の原材料を提供するに等しいことを行っているのである。
今回の福井地裁林潤裁判長の決定は、こうした安倍政権の意向に迎合したものである。本来、司法は行政から独立し、「良心にのみ従い独立してその職務を行う」裁判官の職務を放棄したものである。
早速、関西電力は高浜原発３・４号原子炉に核燃料の搬入を始めている。地元福井県もすでに再稼働に同意しており、来春早々、１月下旬にも再稼働を行う予定とされている。誰も責任を取らないまま、電力不足の発生不足も起こっていないにもかかわらず、経済的効率（全くデタラメであることが明らかになっている）を言いつのって人々を「核」の脅威に曝そうとしているのである。
１１月２６日、全労協は福島から原発訴訟団団長の武藤類子さんと原発労働センターの狩野光昭いわき市議を招き、多くの仲間が参加して脱原発集会を開催した（「全労協」１月号参照）。高浜原発再稼働阻止に全力をあげよう。
２．京都総評 【事務局長談話】
【事務局長談話】
福井地裁の原発再稼動を認める判断に断固抗議するとともに、再稼動を阻止するために全力をあげることを表明する
本日、福井地裁が、高浜原発3、4号機運転差し止め仮処分保全異議および、大飯原発3、4号機運転差し止め仮処分の申し立てに対し、原発の再稼働を認める判断を行ったことは、いったん過酷事故が発生すると取り返しがつかない事態になるという、福島第1原発の現実を直視しない不当なものであり、断固抗議する。司法には、被害を受ける住民の心配や声をよそに再稼動に暴走する政府に対し、国民の命を守る立場から勇気ある判断を行うことを、改めて強く求める。
安倍内閣が、今回の司法判断をもって、高浜原発3、4号機、大飯原発3、4号機の再稼動を推し進めようとしていることに、断固抗議する。福島県では、いまだ10万人を超える住民が、不本意な非難を余儀なくされないばかりか、福島第1原発の事故は収束の目途すら立っていない。安倍内閣が、国民の過半数が、再稼動に反対しているなか、直ちに再稼動の方針を転換し、原発のない社会に踏み出すことを強く要求する。
同時に、12月22日、福井県知事が行った再稼動の同意表明を受けて、関西電力が高浜原発の再稼働準備を加速させていることに対し、高浜、大飯原発から30キロ圏内に約13万人が暮らす京都府知事、事故の際は甚大な被害を受ける京都市長が、依然として抗議の表明をしていないことは断じて容認できない。今すぐに、再稼動反対を表明することを強く求める。
京都総評は、再稼動に反対する皆さんと力をあわせ、再稼動を阻止するために全力をあげることを表明する。
３．関連記事
◆社説
http://www.kyoto-np.co.jp/info/syasetsu/20151225_5.html
高浜原発異議審 再稼働の免罪符でない
[京都新聞 2015年12月25日掲載]
http://www.kyoto-np.co.jp/info/syasetsu/20151223_4.html
高浜再稼働同意 京滋の声は置き去りか
[京都新聞 2015年12月23日掲載]
http://www.kobe-np.co.jp/column/shasetsu/201512/0008673633.shtml
神戸新聞 2015/12/25
高浜原発／割れる判断に事の重大性
◆反対
http://www.kyoto-np.co.jp/politics/article/20151225000071
京都・宮津市議会が再稼働反対 高浜原発３０キロ圏
【 2015年12月25日 12時05分 】
http://www.kyoto-np.co.jp/politics/article/20151224000171
高浜再稼働容認に反対派憤り 京都
【 2015年12月24日 22時30分 】
◆判決
http://mainichi.jp/articles/20151225/ddm/041/040/105000c
福井・大飯原発
差し止め却下決定（要旨）
毎日新聞2015年12月25日
http://mainichi.jp/articles/20151225/ddm/041/040/101000c
福井・高浜原発
仮処分異議審決定（要旨）
毎日新聞2015年12月25日
◆再稼働に向けた動き
http://www.kyoto-np.co.jp/top/article/20151225000097
関電の高浜３号機で燃料装填開始
新基準後２例目の再稼働へ
【 2015年12月25日 19時40分 】
４．今後の取り組み
福井地裁の高浜・大飯原発再稼働差し止め裁判
全関西報告集会＆デモ
２０１６年１月９日（土）
デモ １時３０分～
集会 ３時～
キャンパスプラザ京都
http://nonukeskyoto.com/index.html
バイバイ原発3・12きょうと
２０１６年３月１２日（土）１３時開場～
円山公園
http://sayonara-nukes.org/
さようなら原発 10万人大集会in代々木公園
2016年３月２６日（土）
福島原発事故から5年 チェルノブイリから30年
http://sayonara-nukes.heteml.jp/nn/wp-content/uploads/2015/11/10ebcdd6e6b68068dbfa0ae085461d62.jpg
