第48回 ひょうご労働法律セミナー
“残業は当たり前”になっていませんか?
~労働時間のルール
〈解説と問題提起〉
上原康夫先生(弁護士・当センター代表)
ひょうご労働法律センターの大黒柱。本四海峡バス、オークラ神戸フローリスト、東亜外業など、兵庫の争議の多くを引き受けてもらっている弁護士です。労働者の立場に立って法律問題を分かりやすく解説していただける先生です。
政府は、「新成長戦略」のなかで、「ホワイトカラー・エグゼンプション」の導入や「裁董労働制」、「フレックスタイム制」の見直しなど、労働時間規制の緩和を打ち出しています。政府は、これらの規制緩和によって、「長時間労働の是正」や「ワーク・ライフ・バランスの実現」が期待できる、などと述べています。
しかし、これらは、企業が労働力を際限なく安く、また使いやすくするためのものにほかなりません。
織場の現状を見れば、それは明らかです。「8時間労働・週40時間労働」という決まりがあるにもかかわらず、現実には多くの職揚で長時間労働や違法残業が存在しています。厚生労働省が昨年行った「過重労働重点監督」では、対象企業の4割以上で違法な時間外労働が行われていました。
そして、働く側にも「仕事があるのだから、残業が当たり前」、「残業代が稼げるのだから、残業や休日出勤をしたい」という感覚が存在していることも事実です。このような労使双方の労働時間や働くことに対する認識の不足が、政府の労働時間規制の勧きにもつながっているとも言えます。
今回は、「労働時開」について法律でどのように定められているのかを学び、それぞれの職場での「労働時間」や働き方を考える機会にしたいと思います。
ひょうご労働法律センター
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