全労協脱原発学習総決起集会 / 全労協新聞 2014年7月号 2面から



●広げよう脱原発の闘い

全労協脱原発学習総決起集会
危機的な福島原発
再稼働阻止の闘いを


全労協は、六月十八日東京・全水道会館において、政府原子力ムラが原発再稼働に舵を切り、とりわけ焦点になっている川内原発再稼働の阻止に向けて、労働組合としてめ、学習総決起集会を開催した。集会では、金澤全労協長から「大飯原発運転差し止め判決は、安倍政権による矢継ぎ早の憲法破壊という政治反動下で、司法は死んではいなかった。一筋の明るい光を導くものだ。再稼働阻止に向けて闘う意思統一を」とあいさつを受けた。

最初に、福島県いわき市名浜地区で、除染作業に従事する労働者の相談活動を取り組んでいる全国一般いわき自由労組から、重層的な下請け構造で安全が軽視される危険な作業実態が報告され、労働組合の改善要求などの取り組みの結果、放射線管理手帳の配布、防塵マスクの支給など成果が挙がりつつあること。また、汚染水問題では、全国から汚染水漏れを起こしたボルト締めタンクから溶接のタンクに取り換える作業が続いているが、要求されるタンクの数が日増しに増え、トイレにも行けない環境で労働強化になっていること、こうした環境下で労働を強制されられる労働者の安全を守るため支援が訴えられた。

焦点になっている鹿児島県川内原発の再稼働に反対する6・13現地闘争の報告を代表参加した郵政産業労働者ユニオンの仲間から受けた。

本集会のメインである、福島第一原発の現状と収束作業の事態がたんぽぽ舎の山崎久隆氏から講演を受けた。山崎氏の講演では、福島第一原発の現在の作業状況と、その危険性について現場写真を示した。とりわけ問題なのは、一号機と二号機中間に位置する排気塔付近が二五シーベルトの高濃度の汚染状況で手をつけられない状況、しかも鉄骨が破断したままで、大地震おそわれたら倒壊する危険を指摘、また汚染水の封じ込めでも地震時の液状化で、地上に高濃度の汚染水が噴出するなど、深刻なリスクを背負いながらの廃炉作業になっている事が明らかにされた。

こうした状況についてメディアの報道はなく、参加者は改めて福島第一原発事故の恐ろしさと、廃炉作業の深刻な実態を認識し、政府・原子力ムラが進める原発再稼働はNGとの意思統一と、当面する再稼働阻止に向けた闘いを進めることを全体で確認した。



(F)