全労協/ フィリピン実習生に 日立は補償金を支払え / 新聞 2019年3月号

全労協フィリピン実習生に 日立は補償金を支払え / 新聞 2019年3月号



フィリピン実習生に 日立は補償金を支払え

 昨年、日立製作所で違法に働かされていたフィリピン技能実習生の解雇問題で基本賃金一〇〇%を支払うことを合意し帰国した実習生たちから、次々と連絡が寄せられてきた。内容は、補償金の期日が来ても支払われないことへの不安と日立製作所に対する不信感であった。「一体どうなっているのか?ユニオンの方で何とかして欲しい」という切実な声ばかりであった。

われわれとしても「え⁉どうして、こんなことになっているのか?」という驚きであった。むしろ、補償金が入ってうれしかったとか、お礼のメールが来るのではないかと期待していたからである。

日立に連絡すると、抗議文(別掲参照)に書かれた内容の返事があった。「ふざけるな!一体何をやっているのか」というのが正直な気持ちであった。すぐに団交を行い、支払いが遅れていることの事実確認と、できるだけ早く約束を履行するように要求し、確認した。同時に日立から直接、実習生にメールを送信させ、必ず支払うことを明記させた。あまりにもでたらめな日立の対応である。 


日立製作所に抗議する

昨年十一月十八日に締結した「和解契約書」において確認した約束と全く異なる対応となっているのはなぜなのか?待機手当にしても「当該支給期間開始から十日以内に支払う」約束が反故にされている。また「実習中止となった場合」もしくは「解雇から三か月経過まで行政判断がなされていない場合」は、「基本賃金の一〇〇%相当額を支払う」ことについても履行されていない。その理由として「補償金が多額であること」「実務的な計算に手間取っていること」「海外送金には時間がかかること」「イギリスの責任者に承認を受けなければならないこと」などがあげられている。だが、これらの理由はいずれも想定されたことであり、事前に準備されて当然のことである。いずれも貴社の怠慢としかいいようがない。

帰国したフィリピン実習生たちは、本当に日立製作所が補償金を支払ってくれるのかと強い疑念と不安を持っている。現実に待機手当、補償金の支払いがないために生活に支障が生じているなど、切実な声が寄せられている。

一体どのように考え、どう判断をしているのか。われわれは和解内容に沿って、すみやかに補償金が支払われることを強く要求する。