全労協/ 福島原発で過労死 遺族が三社を提訴 / 新聞 2019年3月号

全労協福島原発で過労死 遺族が三社を提訴 / 新聞 2019年3月号



さようなら原発!ふくしまを忘れない!


●東北全労協 

福島原発で過労死 
遺族が三社を提訴

福島第一原発の過酷な廃炉作業現場で月平均一一〇時間を超える長時間労働を強いられ続けた自動車整備士猪狩忠昭さんが二〇一七年十月二十六日業務中に致死性不整脈で死亡し、遺族が労災認定を闘いとったことをすでに報告した。そしてこのたび二月十三日、遺族三人は福島地裁いわき支部に、雇用者いわきオール、指揮命令をしていた元請け宇徳及び安全健康管理の第一義的責任を負う東電に対する損害賠償請求裁判を起こした。

裁判の内容は第一に、過労死基準をはるかに上まわる長時間労働を強いたいわきオール及び取締役二人と宇徳の安全配慮義務違反に対する損害賠償請求である。第二に、忠昭さんの死亡当日、救急医療室において速やかに適切な診療を受けさせる体制を構築していなかった東電と宇徳に対する賠償請求であり、第三に、忠昭さんが亡くなった当日開催した記者会見において「過労死ではない」と断定して遺族に精神的苦痛を与えた東電に対する賠償請求である。

忠昭さんの過労死の後にも昨年六月と今年一月に福島原発廃炉現場で勤務中に心疾患等で亡くなっている。遺族は提訴後の記者会見で「夫のような犠牲者を二度と出してほしくない」と述べ、県内及び全国へ報道された。故忠昭さんの無念を晴らし廃炉現場で再び労災死を出させないために、遺族と共に裁判を闘い企業責任を追及しよう。闘いを勝利させよう。