全労協/ 安倍政権の改憲案 国会提出を許さない / 新聞 2018年10月号

全労協安倍政権の改憲案 国会提出を許さない  / 新聞 2018年10月号



全労協新聞
より


当面する全労協の闘いについて
安倍政権の改憲案 国会提出を許さない 
労働者保護規制を破壊する 労働法制改悪を阻止しよう


今年の夏は「過去に経験したことのない」特別な夏だった。日本の広範囲にわたり、「災害級」といわれた猛暑が続いた。七月の初めには、西日本を中心とした広い地域で豪雨にみまわれた。その災害からの懸命の復旧のさなか、再び九月の初めに強大な台風が近畿地方を襲い、被害を拡大した。

さらに九月六日未明、北海道で巨大地震が発生し、土砂崩れや家屋倒壊などにより多くの犠牲者をだした。そして未だに多くの住民は避難生活を余儀なくされている。

今夏のこうした災害に被災された皆様に、改めて心よりお見舞い申し上げるとともに、亡くなられた方々にお悔やみを申し上げたい。

さて現在(九月十八日現在)自民党総裁選挙が行われている。もとより、その総裁選挙に参加する資格も権利もないわれわれには関係のない事ではある。だがマスコミが伝えるように、安倍総裁が続投ということになれば、われわれが安倍政権を倒さない限り、少なくとも向こう三年安倍政治が続くことになる。

安倍首相は、その経済政策アベノミクスの成果を強調している。確かに一部大企業にはその恩恵がもたらされたのかもしれない。また、大企業で働く労働者にはわずかであってもそのトリクルダウンがあったかもしれない。しかし中小企業やそこで働く労働者、および地方にはトリクルダウンはなかったと述べている。

また総裁選で、九条を中心とする憲法改「正」が争点となっている。すでに安倍首相は、自衛隊の明記などを盛り込んだ自民党憲法改正案について、「次の国会」への改憲原案提出を目指す考えを明言している。

今(九月十八日現在)現在沖縄知事選挙が行われているが、この結果がまた憲法改「正」の動きに反映される。「次の国会」がいつなのか分からないが、安倍首相が再選され、沖縄知事選の結果しだいでは憲法改「正」への流れが一気に加速する。沖縄知事選挙に勝利してこの流れを止めなければならない。

自民党の総裁選挙ではあるが、憲法改「正」について、今われわれは安倍自民党から問いかけられている。

改悪労働法制許さない闘い

秋以降の闘いでもう一つ重要なのは、改悪された労働法制への闘いである。

今年六月に強行成立させた「高度プロフェッショナル」制度創設を含む働き方改革関連法は戦後の労働法制を根本から崩すことになった。高プロ制度は、労働基準法に基づく労働時間規制を全て外して、使用者が労働者に対して際限のない長時間労働をさせることが可能となる。これは何度も述べてきたが、政府が説明する「労働者が自らの意思で柔軟な働き方を選択できる」制度や「時間ではなく成果で評価され賃金が支払われる」制度でもない。労働者保護規制の破壊である。

今、労働政策審議会等で、附帯決議も踏まえて検討が進められ、来年四月から順次施行されようとしている。われわれは、労働者の生命と健康を奪い、生活を破壊するこの法の施行を許さない闘いを、そしてこの制度を事実上廃止させる闘いをそれぞれの職場で強めなければならない。

(金澤壽議長)




働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律案に対する附帯決議