全労協大会決議3 8時間働けば暮らせる社会、ディーセント・ワークを実現し、 労働法制改悪に反対する決議(案)



8時間働けば暮らせる社会、ディーセント・ワークを実現し、
労働法制改悪に反対する決議(案)


 2018年度の最低賃金は、全国加重平均時給26円を引き上げ874円だった。最高の東京で985円(×8H×20=月収15.7万円 年収189万円)最低の鹿児島県は、761円(月収12.2万円 年収146万円)ここから税金や必要経費を引いたら生活できるだろうか。我々の要求は時給1500円(月収24万円 年収288万円)だ。残業なしの8時間労働で暮らせる社会のためには大幅な全国一律最低賃金の引き上げが必要だ。

 新自由主義経済は、貧富の格差を増大させた。1%の富める者と99%の持たざる人々に。そして非正規労働者が全労働者の4割にもなってしまい、今までの「家計の補助労働」から「主たる生計者」へと拡大している。少子高齢化社会を迎え、大人(女性・男性)の貧困→子どもの貧困→老人の貧困の連鎖が大問題になっている。年金支給開始年齢が男性2020年から、女性2030年から完全に65歳に引き上げられる。次は70歳と言われている。病気で働けない高齢者は、どうすればいいのか。

 ディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)は、1999年にILO総会においてILO の目標として提案され、支持された。これは、人間らしい生活を継続的に営める人間らしい労働条件のことである。労働時間(1日あたり、1週間あたり)、賃金、休日の日数、労働の内容などが、人間の尊厳と健康を損なうものでなく、人間らしい生活を持続的に営めることが求められている。更にそれを保障する労働条件として、結社の自由、団体交渉権、失業保険、十分な雇用、雇用差別の禁止、最低賃金などが確保されている(労働者保護が十分である)ことが求められているのだ。

 安倍政権は、「世界で一番企業が活躍しやすい国」「1億総活躍社会」の実現を目指し、まともな答弁も行わず今年6月末、労働組合や労働弁護団、過労死家族会などの反対にもかかわらず、労基法の8時間労働制を破壊し、長時間労働を助長する8本の法を一括した「働き方関連法」を強行採決で成立させた。労働時間関連の法施行は来年4月からだ。この法の成立以降、多くの経営者は、事あるごとに「働き方改革」を口実に「残業時間削減」という名目で「サービス残業」を強要している。法律による規制は最低限であり、労使による合意事項、労使協定や労働協約は、法律による規制を上回る事ができる。それを実現するのが労働組合の力だ。36協定や高度プロフェッショナル制度導入には、労働組合または職場代表との合意が必要だ。ここで頑張れれば、過労死ラインの残業規制も高プロ導入も阻止できるのだ。

 さらに安倍政権は来年にも「裁量労働制の拡大」、「解雇の金銭解決制度」、「雇用関係によらない働き方」を法制化しようとしている。

 労働者の人間らしい労働を実現するために、国会と職場を貫く闘いに全力を尽くそう!

 以上、決議する。

2018年10月1日
第30回定期全国大会