お気に入りの映画「未来を花束にして」 / 全労協新聞 2017年3月号

お気に入りの映画「未来を花束にして」 / 全労協新聞 2017年3月号


全労協
http://www.zenrokyo.org/

全労協新聞
http://www.zenrokyo.org/simbun/sinbun.htm
より


お気に入りの映画「未来を花束にして」

参政権のために果敢に闘ったイギリスの女性



「未来を花束にして」という映画をみた。一〇〇年前のイギリス・ロンドンで、七歳から洗濯工場で過酷な労働を行ってきた女性モードが主人公だ。夫も同じ工場で働き、四~五歳の男の子は仕事中近所に預けられている。ある日モードは仕事帰りに洗濯ものを届けに行った街中で、突然ショウーウインドウに石を投げつける女性たちに出くわし、混乱の中を家に帰る。

女性参政権を求める行動だ。この運動に参加している同僚に誘われ、「将来生まれる少女が兄や弟と同じ機会を持てる、そんな時代のために闘うのです」と語るカリスマ的リーダーの演説を聞き感銘を受ける。そして同僚が議会で証言することになり、仕事を休み議会へ行くが、同僚は夫から暴力で話ができず、モードが代わりに女たちの状況を証言する。その場面がいい。

議会で法案が提起されるのかを女性たちは固唾をのんで議員の声を待つが、時期尚早と期待は裏切られ、そこに警官たちがなだれ込み、モードは仲間ともに捕まる。工場で働きながら、大きな事件を起こさないと新聞も取り上げてくれないと貴族の別荘の爆破に参加し、またつかまってしまう。夫はモードを家に入れない。職も失い、雨の中、窓の中の息子に語りかけるモードの姿が切ない。夫は一人では育てられないと子供を里子に出してしまう。モードたちは国王に直訴を計画しダービー会場に向かう。疾走する馬の前に女性参政権を求める文書を手に仲間が飛び出し、命を落とす。馬車に乗せられ花がいっぱいのお棺のあとに、白い服に黒い帯の女性たちの列が続く場面は当時の実写フィルムだった。闘いと大きな犠牲の上に勝ち取った参政権なのだ。是非ご覧ください。

全労協女性委員会 柚木康子)