郵政 制服着替えは労働時間だ! / 全労協新聞 2016年11月号

郵政 制服着替えは労働時間だ! / 全労協新聞 2016年11月号


全労協
http://www.zenrokyo.org/

全労協新聞
http://www.zenrokyo.org/simbun/sinbun.htm
より


闘う!闘う!闘う! 郵政産業労働者ユニオン

郵政更衣時間裁判

制服着替えは
労働時間だ!



 六月十四日、郵政ユニオン静岡県協議会の組合員らが、静岡地裁浜松支部に対して。「更衣時間は労働時間だ!」という訴訟を起こした。訴訟は、「未払割増賃金請求事件」とし、過去二年間分の更衣時間に要した時間(一回七分、一日一四分)を不払残業分として請求するというもの。請求額からすれば、簡裁で扱うほどの少額だが、訴訟の結果が与える影響などを考慮し、合議による裁判が七月下旬から始まっている。

 「逐条解説郵政省就業規則」がここにあるが、そこには、勤務時間中の更衣に関して、「職員が勤務時間中に更衣を行うことは、勤務時間中に職務以外の行為を行うこととなり、職務専念義務に反することとなる」と言い、この考えは、二〇〇〇年に三菱重工長崎造船所の最高裁判決が出ても、二〇〇七年に郵政民営化後も維持され、「勤務時間中の更衣は許されない」という考え方は終始一貫しているといえる。

 しかしこれはいつまでも通用しない。就業規則には、「社員は、制服等を交付され、または使用することとされている場合には、特に許可かあった場合を除き、勤務中これを着用しなければならない。」と着用義務を課し、これを怠れば服務規律違反の懲戒事由というわけだし、制服での通勤や時間外での制服着用は、社内規定により原則禁止しているので、着替えは、郵便局内に更衣室が指定されているので、そこで行わざるを得ない。

 つまり、制服着用が本来の業務を達行するための必要不可欠な準備行為であり、また、更衣室で着替えることが事実上義務付けられているのだから、更衣時間は、使用者の指揮命令下に置かれた行為であり、労基法上の「労働時間」といえるのだ。

 今職場では、労働時間の境目かどんどん曖昧になり、サーピス残業か横行し、権利が腐りかけている。そんな時だからこそ、労働時間にこだわる姿勢が大切だ。「更衣時間を労働時間として認めろ!」という要求は、私たちだけではなく普遍的な要求だ。共同のたたかいで勝利しよう!