全労協/ 労働者を食い物にする原発の構造 / 全労協新聞 2015年6月号

全労協/ 労働者を食い物にする原発の構造 / 全労協新聞 2015年6月号


全労協
http://www.zenrokyo.org/

全労協新聞
http://www.zenrokyo.org/simbun/sinbun.htm



脱原発プロジェクト

労働者を食い物にする
原発の構造



全労協は、五月十八日脱原発プロジェクト会議メンバーを中心に、福島第一原発収束・廃炉作業に今年の春までに従事していた原発労働者I氏との交流会を開催しました。

I氏は、福島原発労働者を食い物にする多重下請け構造、大手ゼネコン等の賃金ピンハネの実態を次のように明らかにしました。

「昨年の二月から除染作業に従事し、その後七月から第一原発内の作業に従事した。賃金は、除染作業時は日給七千円、危険手当一万円が支給。原発内での作業は、最初は免震重要棟内の倉庫・組合事務所の新聞等の片づけを行った。組合事務所からは東電社員のボーナス支給明細があり二一六万円の高額。フクイチでの賃金は、日給一万円、諸手当四千円であった」。

原発内免震棟内のエコー委員会に寄せられた意見(目安箱)では、「危険手当が二万円に増額されたのに支給が無い、会社は出ないといっている。廃炉作業を被曝しながら頑張っている作業員のために支給されるべき」との意見に、「東電は、元請け会社に要請し下請け買会社に説明しきちんとした対応を」との掛け声だけで一向に解決されない。

請負費に見積もられている単価は、公共事業設計労務単価で福島県においては、「日額一万六千円」となる、危険手当を含めると実に一万九千~二万二千円のピンハネとなる。

ハローワークでの募集では人が集まらないため、会社(三次下請け)が東北・九州・大阪方面に出張面接で人集めに奔走している。ピンハネで如何に金がもうかるかの証左であろう。原発労働者を食い物にする構造が明らかになった。