全労協/ 大阪全労協(大阪都構想住民投票) / 全労協新聞 2015年6月号


全労協/ 大阪全労協大阪都構想住民投票 / 全労協新聞 2015年6月号


全労協
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全労協新聞
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●大阪全労協大阪都構想住民投票

大阪市解体を阻止
勝負はこれから



五月十七日に行われた「大阪都構想」をめぐる、いや正確に言えば「大阪市における特別区設置についての」住民投票は、約一万票の僅差で反対に決した。投票総数約一四〇万、投票率約六八%、わずか〇・八ポイントの勝利だった。

キャンペーン合戦では橋下-維新が物量では圧倒していた。選挙に引き続いてTVスポットは毎日放映され、橋下の電話勧誘(テープ)も一〇〇万戸に流された。なにより大阪市が発行した四八ページもの説明リーフレットが全戸に配布されたし、同じく市主催の住民説明会(三九ヶ所)では所要二時間のほとんどが市長のアジ宣伝の場と化した。

にもかかわらず、これほどまでに投票率が伸び、反対が多かったのは、橋下-維新あるいは市の説明に漠たる不安や胡散臭さを感じたからだろう。今年十二月の市長選に彼は出馬せず、政治の世界から身を引くと明言した。それを信用するしないはともかく、とりあえず府知事時代を含めて七年半に及ぶ「橋下劇場」は幕を閉じる。

しかし、さまざまな課題は残されたままだ。財政悪化による市の事業や施設の外部化(委託や指定管理の増大、果ては民営化)の波は止まらないだろうし、市で働く人たちの処遇(賃金ダウン、政治・組合活動の抑制、非正規職の増大など)も悪くなっている。しかも、橋下市長のやり方がドラスティックだったために印象的だが、それらの多くは橋下以前からの現象なのであって、本当の勝負はこれからとも言えるのだ。