全労協/ ワタミ・渡辺議員は過労死責任を認めよ / 全労協新聞 2014年11月号

全労協ワタミ・渡辺議員は過労死責任を認めよ / 全労協新聞 2014年11月号


●全国一般東京東部労組

ワタミ・渡辺議員は
過労死責任を認めよ


居酒屋チェーン「和民」で正社員だった森美菜さん(当時二六歳)が入社二カ月後に過労死した問題で、東京東部労組の組合員である遺族がワタミと当時社長だった渡辺美樹・自民党参院議員らを相手取り損害賠償を請求した裁判の第五回口頭弁論が九月二十二日、東京地裁であり、ワタミ側がついに全国の労働基準監督署から受けてきた是正勧告・指導票を明らかにしました。

ワタミ側が開示したのは、二〇〇八年四月から二〇一三年二月までに労働基準法違反労働安全衛生法違反などについて受けた是正勧告書二四件と指導票一七件。これまで遺族側は過労死の原因を解明するために開示を求めてきましたが、ワタミ側は拒否していました。しかし、毎回の裁判傍聴に駆けつけている支援の仲間やメディアの報道をはじめ世論の批判に押される形で、ようやくワタミ側が開示に応じてきたのです。

これらの資料によると、ワタミは全国各地の店舗で、制限を超えて時間外労働を行わせている、法定の残業代を支払っていない、休憩時間を与えていない、法定の健康診断を実施していないなどの違法行為について労基署から指摘を受け是正を求められています。まさに違法行為のオンパレードという状況であり、けっして森美菜さんの過労死が特別なケースではなく、氷山の一角であることが明らかになりました。

報告集会で、森さんの父豪さんは「やっぱりなという感じだ。表面でいいことばかり言っているのは粉飾に等しい」と話しました。母祐子さんは「渡辺議員は過労死防止法の集会で『たった一人の犠牲者を出したが』と言っていたそうだが、なぜ犠牲者が出たのかを検証しようとしていない」と批判しました。

ファミリーレストランすかいらーく」で二〇〇七年十月に長男を過労死で亡くし、東部労組とともに闘った前沢笑美子さんも「二度と過労死が出ないように訴えていきたい」と発言しました。