全労協/ フロラシオン青山閉鎖は許さない / 全労協新聞 2014年9月号

全労協フロラシオン青山閉鎖は許さない / 全労協新聞 2014年9月号



●全国一般東京東部労組

フロラシオン青山
閉鎖は許さない


七月十六日、東京・港区南青山にあるホテル「フロラシオン青山」の労働者が今年十二月三十一日をもっての同ホテルの一方的閉鎖を撤回させ、職場と雇用を確保するため労働組合「全国一般東京東部労組フロラシオン青山支部」を結成しました。

「フロラシオン青山」は公立学校の教職員共済機関である公立学校共済組合(玉井日出夫理事長)の地方組織である同東京支部(比留間英人支部長)が運営するホテルです。ブランド店が建ち並ぶ青山にあって、周囲は閑静な住宅地。一八九の部屋を持ち結婚式場なども併設、四十年以上の歴史を持っています。

経営母体である共済組合・東京支部は、このような好立地かつ歴史のあるホテルを今年十二月三十一日をもって閉鎖する旨、一方的に発表しました。「耐震工事に費用がかかる」というのが主な理由です。しかし、十分な耐震診断を行ったと言えるものではなく、閉鎖の「ための」理由としか思えません。また、労働者に対しては一方的な通知のみで十分な説明も行っていません。

このような一方的なやり方、労働者の生活をまったく省みない対応に抗議し、職場・雇用の確保フロラシオン青山の営業継続を求めるため、同ホテルの労働者は労働組合を結成しました。現在、組合員は増え続け、労働者の多くが組合に加入しています。組合員の中には二十年、三十年以上に渡り同ホテルに勤務している人も少なくありません。職場に愛着をもち、営業の存続を求めるのは当然の要求です。

共済組合のトップである理事長は文部科学大臣が任命します。理事については文科大臣の認可を受け理事長が任命します。そして、共済組合東京支部支部長は都の教育長です。このことから、共済組合の人事は文科省の意向が働くと言えます。そして現在、共済組合理事長の職にある玉井日出夫氏は元文化庁長官です。また、他の理事にも文部科学省出身者がいます。労働者の雇用と職場を奪う決定を行ったことについて、文科省にも責任があるはずです。

フロラシオン青山支部は七月二十九日、共済組合・同東京支部に対して労働組合結成通知・閉鎖撤回等を求める要求書とともに、八月二十日付での団体交渉申し入れ書を送付しました。また同日、厚生労働省記者会で会見を行い、報道各社に一方的閉鎖の不当性を訴えました。

会見においてフロラシオン青山支部大森委員長は「閉鎖という結論ありきのやり方だ。詳細な説明もない。私たちはフロラシオン青山で働き続けたい。私たちの職場を返してほしい。労働者をないがしろにしないでほしい」と強く訴えました。

また、会見に出席した十七人の組合員からも「共済組合に誠意が感じられない。閉鎖にあたって謝罪もない。人間としての心を持て、と言いたい」「労働者を無視するやり方に怒りを感じる」「閉鎖撤回まであきらめずに闘う」など、怒りの声・闘う決意が表明されました。

(八月二十日、公共学校共済組合・同東京支部との団交で支部は、評論家・小沢遼子さんの支援で集めた地域住民の署名を手渡した)