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コラム
疾風
今改めて強調したい
労働者の階級的な覚醒
全労協常任幹事
田宮高紀
私が全労協の常任幹事になったのは十年くらい前で六十歳は過ぎていたと思う。はじめの歓迎会で「いい歳だけど、七十まではやるつもり」と発言して拍手喝采だったことが記憶に新しい。いまや七十を大きくオーバーしてしまったが、まだ辞めろとはいわれない。体力ががたがたと落ちてきていることは否めないが。
どこもかしこも若手の育成に苦労していて、組合幹部の高齢化が進行する一方なのが、今日安倍なんかになめられている原因の一つで、歯がゆいばかりである。
いま、資本の側が労働の側に猛攻撃をかけてきている。巨大化したグローバル独占の最大の悩みは利潤率の低下で、それに対する対抗手段として主要なものが、「搾取の強化」にほかならない。歴史上「資本主義」はこれまで何回も「崩壊の危機」に見舞われてきたが、あの手この手でなんとか切り抜けてきて今日に至っているが、いよいよどんずまりではないかと私は感じている。
今開始されている総攻撃は、労働基準法を破壊して、労働者の貧困化を極限にまで加速させて、企業の利潤をも確保しようということだが、これは蛸が自分の足を食らうにも似て、資本そのものの首をも絞めることにつながる。私は社会の荒廃をたびたび問題にしてきたが、今や荒廃ではなく破壊である。
資本の猛攻撃に対抗するものは、労働者の階級的な覚醒とそれに基づく闘争しかないと、若いときから教えられてきたが、今改めて強調したい。
そのために全労協はもっと強くならなければ・・・。
「歯がゆい」などと脳天気に他人事のようにうそぶいている時ではないと、自分を叱っているところ。だけど、このままでは、八十まで辞めるわけにいかないということか。いや、それはないか・・・。字数制限のため、これにて失礼。