全国から安倍政権の暴走STOPの闘いを / 全労協新聞 2014年7月号 2面から



●全国から安倍政権の暴走STOPの闘いを
集団的自衛権行使容認の閣議決定を許すな!


五月十五日、安倍首相は記者会見を行い、パネルを使って日本人の安全を守る為に同盟国と共同して軍事行動を取る必要があること、そのためには集団的自衛権の行使を認めなければならないと力説した。そして憲法九条は個別的自衛権に限られるという現在までの解釈を変更して、「九条には集団的自衛権の行使が含まれる」ことを閣議で決定することができると言い放った。

閣議決定によって憲法九条の解釈が変更できること、首相である自分が最高責任者として決定するという、民主主義の基礎である立憲主義を否定して得意顔を見せる安倍首相の暴走は止まることがない。集団的自衛権容認を巡り、平和の党を標榜する公明党が慎重姿勢を示すと「限定的行使」などを持ちだして懐柔しようとしているのである。TVニュースが伝える国会の審議・議論の様子には、安倍首相は野党の質問に対してまともに答弁をすることなく、自説を長々とまくし立てる異様な光景が映っている。


安倍首相は悲願とする「集団的自衛権の行使」を容認させ、九条を破壊して日本をアメリカと共に戦争する国へと転換させること、自分で軍を指揮して戦争がしたいというのであろう。そこには国民や他国民の生命・財産に対する思いの欠片もないのである。そしてその最前線を担わされ、殺し殺される自衛隊員や、職場に駆り出される労働者・国民と家族のことは全く眼中にないのであろう。安倍首相が「戦後レジームの転換」「強く美しい国」と語ってきたものは民主主義と平和、人らしく生き、働き、人権が尊重される社会を根底から破壊することに他ならないのである。安倍首相が労働法制の規制緩和を急ぎ、「世界で一番企葉が活躍しやすい国」へと労働法制の破壊強行を重ねていく姿は同一のものである。そこには労働者が人間らしく働き、家族が団らんの時間を持てるのは空想の世界のものにされようとしているのである。

安倍政権はなにがなんでもこの集団的自衛権の容認を閣議決定しようとしている。公明党に対する圧力も強くなっていると云われる。これ以上安倍政権の暴走を許してはならない。

私たちは多くの労働者市民と共に、閣議決定を阻止し、ファッショ的手法で次々と反動政策を強行する安倍政権を打倒することが求められている。



(F)