渡辺参院議員が 意味不明の謝罪 / 全労協新聞 2014年5月号 4面から



●全国一般東京東部労組

渡辺参院議員が
意味不明の謝罪

居酒屋チェーン「和民」で正社員だった森美菜さん(当時二六歳)が入社二カ月後に過労死した問題で、遺族がワタミと当時社長だった渡辺美樹参院議員らを相手取って起こした裁判の第二回口頭弁論が三月二十八日、東京地裁で開かれた。

開廷前にワタミ側が管理職や社員を大量に動員し、法廷のドア付近で遺族側支援者らの入場を妨害。傍聴席を一時占領し、新聞記者らも閉め出される形になった。遺族が加入している東京東部労組の組合員や全労協の金澤議長ら傍聴に駆けつけた支援者から抗議の声が次々と上がった。その結果、裁判所の仲介でワタミ側社員の多くは退席したが、過労死を出した企業として許されない行為である。

裁判に初出廷した渡辺議員は、意見陳述を行い、「美菜様が自ら絶たれた命の道義的責任について重く受け止め、ワタミ株式会社と共に心より謝罪を申し上げます」と頭を下げる一方で、「法的責任の見解相違につきまして司法の判断を仰ぐ」と遺族側と争っていく考えを示した。

実際、ワタミ側が裁判所に出した準備書面では、長時間労働の事実も会社の安全配慮義務違反も全面的に否認している。渡辺議員の謝罪はいったい何をどのような理由で謝っているのかがまったく不明である。裁判後の報告集会で遺族は「本当の謝罪とは言えない」と訴えた。

次回のワタミ過労死裁判第三回口頭弁論は五月十九日(月)十三時三十分から東京地裁六三一号法廷(裁判後、報告集会あり)。引き続き支援のための傍聴をお願いします。

(須田光照全国一般東京東部労組書記長)



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