さよなら原発3・9関西行動 / 全労協新聞 2014年4月号 3面から



●さよなら原発3・9関西行
再稼働を許すな


三月九日、『さよなら原発3・9関西行動~すべてのいのちと未来のために~』が開催されました。

午前中の集会のオープニングは、部落解放同盟大阪府連合会浪速支部・太鼓集団「怒(いかり)」の迫力ある演奏で始まりました。皮革産業が盛んな町・浪速区で生まれた太鼓集団「怒」は、「世の中の全ての差別に怒りを」という思いからこの名前が付けられました。原発は、格差と差別よって成り立ってきました。福島第一原発事故後も、収束作業にあたる労働者の七割が福島県民。甲状腺がんの疑いがある子どもが増加する中、避難の権利は与えられず、むしろ政府は還帰を急がせようとしています。多大な被害を受けた福島県民に、なお原発事故の後始末をさせようとする政府の動きは、差別構造の上塗りに他なりません。「怒」が奏でる太鼓の響きは、事故の責任を取らない東電、原発事故の被害者を切り捨て、再稼働を強行しようとする政府への怒号のようでもあり、私たちを奮い立たせる希望の響きでもありました。

会場は、京都大学原子炉実験所の小出裕章さんの講演を聞きに来た人々であふれ、立ち見が出る程でした。講演では、未だ続く福島第一原発の厳しい状況を再確認させられました。最後に小出さんは「子どもたちは原発を選んでいない。その子どもたちを被曝から守らなくてはいけない」と力強く訴えられました。

午後の集会は、約七〇〇〇人が扇町公園を埋め尽くし、その後三ルートに分かれてデモに出発し、「脱原発」の声を街に響かせました。

福島第一原発事故は収束するどころから、さらに厳しい問題に直面しています。オリンピック招致の際、「Under the control」と言った安倍首相のセールストークは一〇〇%ウソでした。安倍政権は、この状況下にありながら原発再稼働を強行しようとしています。再稼働を絶対に許してはいけません。引き続き、脱原発への思いを行動に移していきましょう。

(大椿裕子 大阪教育合同労組副執行委員長)




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