原発のない福島を!3・8県民集会 / 全労協新聞 2014年4月号 2面から



原発のない福島を!3・8県民集
無関心層に脱原発

全労協は、「脱原発社会をめざす労働者の会」と結んで「フクシマ連帯キャラバン行動」を取り組むとともに、磐梯熱海原発のない福島を!3・8福島県民集会」に四四人の仲間が参加をしてきた。

集会では、さようなら原発一〇〇〇万人署名の呼びかけ人大江健三郎氏が、安倍政権の危険な政治性格を踏まえ「戦後多くの日本人が権力に騙され戦争に突入したことに気がついた。しかし、日本人の多くが戦争責任を追及しなかった。原発もしかりで安全神話にどっぷりつかり必要だとだまされてきた」、「今、政府が押しすすめる原発の再稼動を前にして、もう一度騙されようとしている」、「安倍の民主主義を踏みにじる行為にだまれてはならない」映画監督の伊丹十三の父、伊丹万作は、「騙された側にも責任はある。日本人は終戦後の解放感により自らの責任の自覚と騙されたことの責任追及を忘れてしまった」と発言。そして「今の子供たち、次の子供たちの世代が生きていける環境を作り出すのが現在を生きる大人の責任だ。三度騙されることないよう再稼動を止めよう」と結んだ。

福島県内で除染労働に携わる全国一般の労働者は、「一万円の危険作業手当てがピンハネされている。仲間二五人と闘い一万円を取り戻した。被ばく労働の安全対策が手抜きされ環境省に電話したら、ゼネコンの責任者に説教され解雇された。積雪のため除染作業ができないおそれがあるという理由で解雇通知が届く、仲間と共に闘っている」「生きることを簡単に奪うのが除染現場だ。除染作業員に放射線特別教育を全くしていない。安全無視の作業員を人間と見ない除染労働の強制をゆるしてはならない」と訴えた。

福島県朝霞台高校の高校生は、「高校生親善平和大使になって、世界から日本を見る機会を得て、視野を広げられることができた」、「何故原発はあるの。何故原発は止まらないの」、「責任を取らなくてはならないのは、原発に無関心でいた大人たちです」、「これから生まれてくる子供たちに何故福島ではグランドで遊べないかを教えていく」、「日本は原発にたよってはいけない。福島に原発はいりません」と発言した。

福島集会は、三会場合わせて五三〇〇人が結集し、原発のない福島の実現と再稼動を許さず運動を強めることを誓いあった。

全労協の仲間達は、福島県民の思いを首都東京における運動で返していく、圧倒的な無関心層を引き付ける脱原発運動を粘り強く展開していく決意を確認し、帰路についた。

(平澤勝 全労協常任幹事)



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