中部電力の浜岡原発 「安全審査」申請に抗議 / 全労協新聞 2014年3月号 3面から



コラム
疾風

「安全審査」申請に抗議


全労協常任幹事
増田和明


中部電力は二月十四日、原子力規制委員会に対し浜岡原発四号機の「安全審査」を申請した。「再稼動のための申請ではない」と、子供だましの言い訳をしているが、再稼動にむけての申請であることは明らかである。

浜岡原発福島第一原発事故を受け二〇一一年五月、当時の管首相が中電に要請し、運転を停止した。浜岡原発福島第一原発と同様沸騰水型原子炉であり、また想定される東海地震震源域に立地している点、国民の不安の除去などから管元首相の要請は国民の支持を受けた。

それから、三年。いまだ福島の事故原因も明らかにされず、事態の収拾もされていない状況での安全審査申請である。

また、現在、東京高裁で審理されている裁判において中電は引き伸ばしをはかり、中電の安全対策と規制委員会基準との係わりなどについて明らかにせず、原告はもとより裁判官の求めにも真摯に応えていない状況での申請である。そして、二〇一四年度の早い時期に三号機についても審査を申請することを表明している。

再稼働を
許すな

こうした中部電力の姿勢に対し、申請がだされた二月十四日静岡県下で浜岡原発の再稼動に反対する、静岡県共闘も含む多くの団体が共同で中部電力に抗議文を提出した。

浜岡原発は脆弱な埋立地の上にあり、起こりうる巨大地震震源域、そして日本列島の中央、ひとたび事故が起これば日本は壊滅といった状況も想定される。浜岡だけではなく日本の存在する原発全てが地震列島の上に存在し、事故と隣り合わせの状況にある。原発が引き起こす過酷事故の被害は子々孫々まで継続する。自然災害を一〇〇%制御することはできない。一〇〇%安全である原発は存在しえない。



(F)