12/24 神戸地区労 神戸市予算編成に対する要求書
神戸地区労
2013年12月24日
神戸市長
久元喜造 様
神戸地区労働組合協議会
議長 宇 野 克 巳
2014年度神戸市予算編成に対する要求書
日頃は、私ども神戸地区労に対して、ご指導・ご援助をいただきありがとうございます。
さて、神戸地区労は毎年、“あなたの声を市政にむすぶ”をスローガンに『市政要求アンケート』を実施し、市政に対する勤労者の要望を調査しています。このアンケートには地区労未加盟の労働組合にも協力をいただいており、回答者の4割は地区労以外の職場で働く人たちのものとなっています。
調査項目の1つには、かつて神戸市が実施してきた『全世帯アンケート』の「神戸市に望むこと」と同項目を採用しています。地区労は勤労者、男性・30代~40代が多いことからくる要求が特徴にあげられます。また、その年々に重点的な項目を取り上げることにしています。今回は非正規労働者が増え、貧困が大きな社会的問題になっていることを考え、改善のために政策としてどのようなことを望むかについて取り上げました。
市民生活は、国税庁の発表によれば、平均給与総額が1997年の467万円をピークに減少し、2012年は408万円にまで低下し、非正規労働者が4割、年収200万円以下の給与所得者が1090万人を超えています。
こうしたなかで、市の予算編成も税収が減少する中で依然厳しい状況が続いていますが、市民生活の安心と安定のために積極的な取り組みをいただきたいと思います。
なお、回答については、5月末までに文書回答をいただきますよう要請します。
1.住みよい住宅・環境をめざして
(1)神戸に避難してきている東日本大震災被災者が引き続き安心して暮らせるよう住宅等の支援策を充実されたい。
(4)温暖化対策、降雨時の安全確保など、歩道・車道を雨水透過性素材または雨水透過構造に改良する工事を順次すすめられたい。また、水害防止のために校庭・公園地下等に雨水貯留施設の設置を促進されたい。
(5)災害等の発生など緊急時、市民・観光者への宣伝・連絡体制を確立するとともに、避難場所・経路の明示に取り組まれたい。とくに高齢者、障がい者(とりわけ聴覚障がい者)、企業にも配布し、市内の職場に働く人にも情報が行き渡るよう配慮されたい。
2.よりよい保育・教育をめざして
(2)子ども家庭センターの指導員体制の強化に努められたい。
(3)生活保護家庭児童・生徒に対する学習支援の取り組みを強化されたい。
(4)神戸市奨学金を市民の生活実態に合わせ、充実されたい。
(5)給与所得者の保育料負担が大きいため、保育料徴収金の据え置きに努められたい。
(7)スクールソーシャルワーカーを増やされたい。
(8)小学校給食は自校方式を維持するとともに、中学校給食も含め、食材の安全に努められたい。
(9)障がいを持った児奎・生徒が安心して通学・学校生活が送れるよう、特別支援教育支援員などの人的配置の充実に努められたい。また、特別支援学校を全市的な視野で整備されたい。
(10)修学旅行先については、平和教育や環境教育などを豊富化する内容となるようにされたい。
3.充実した医療・介護・福祉をめざして
(3)障がい者や高齢者が安心して暮らせる、生活圏を大切にした地域コミュニティづくりをさらに推進されたい。また、その中心となるべき地域福祉センターに職員を配置し、自治会等の負担軽減をするとともに、運営委員の公募などにより地域に開かれたものになるよう努められたい。
(4)「ケアライン119」「web119」をわかりやすく、利用しやすいように改善されたい。
(5)精神障がい者の医療・介護・福祉・就労などを支援するためのネットワーク化に取り組まれたい。
(6)生活保護世帯の社会参加を支援するため福祉乗車制度の復活に努められたい。
(8)成年後見制度がより使いやすいものになるよう改善し、周知されたい。
4.暮らしやすい市民生活のために
(1)敬老パスの有料化で利用者が減っているが、引き続き見直しも含め利用しやすい制度となるよう検討されたい。
(2)コミュニティ(小型循環)バスの運行も含めて地域で要望の多いバス路線を検討されたい。
(3)ポートライナー三宮駅からそごう前歩道橋の通路をスロープ化するなど三層ネットワークで車いすでもスムーズに往来できるようにされたい。また、三宮東交差点の歩車分離、あわせて、JR三ノ宮駅東ガード下バス停の美観を形成整備されたい。
(4)駐輪規制にともなうバイクの駐車場を設置されたい。
(5)自転車道の設置に積極的に取り組み、歩行者等と自転車が安心して安全に通行できるよう、歩道との分離、交差点横断帯表示場所の変更など安全に配慮した改善をされたい。
(6)高齢社会到来・ノーマライゼーションの立場から、段差のない歩道、滑りにくい歩道、電柱の埋設化など安心して通行できる街になるよう取り組みを広げるとともに、街角に高齢者などが気軽に休める腰掛け等を設置されたい。
(7)各種施設の利用料金について、値下げなど料金見直しをされたい。
(9)使用量の少ない単身世帯などが高負担とならないような水道料金の制度見直しをされたい。
(10)住民投票条例の制定を検討されたい。
(11)市民感覚とかけ離れた市会議員の費用弁償を実費支給に改められたい。
(*(8)が無い??)
5.働く人びとのために
(1)垂水区に設置された「ワークサポートたるみ」のような窓□を全区に拡大するよう、取り組まれたい。
(2)入札、指定管理者制度の委託に際しては、労働者の雇用維持、労働条件の低下のないように指導されたい。また、入札等に当たっては、雇用・男女共同参画・環境など市政がめざす方向と一致するよう総合評価方式を導入されるとともに、委託後についても雇用・労働環境についてチエックできるようにされたい。
(3)賃金・労働条件の切り下げを防止し、当該労働者が安定して働き暮らせるよう、公共サービス基本法に沿った措置を講ずるとともに、公契約条例の制定を前向きに検討されたい。
(4)若年勤労者などが自らの地位と権利を守り働けるよう、労働や社会的権利、また困ったときの相談窓□などを紹介する冊子を作成するとともに、学校教育の中にも取り入れ、啓蒙に努められたい。
(5)市独自の勤労者相談やサポート、労働情報サービスの提供など、勤労市民課の機能強化に努められたい。
(6)事業場外で働く人が休憩・食事ができるよう、地域センター、公民館などを活用し「休憩所」を設けられたい。
(7)「市政懇談会」を5月末まで、「市政見学会」を11月中旬までに開催されるようにされたい。また、広く勤労市民行政の推進について懇談する機会も設けるようにされたい。
6.平和・文化的な国際港都・神戸をめざして
(1)日本非核宣言自治体協議会への加入を検討するとともに、平和学習ツアーの実施、核実験などヘの抗議文の発出、啓蒙、啓発行事など非核・平和行政の推進をはかられたい。
(2)神戸空襲や戦争の痕跡などの保存に努めるとともに、該当箇所に解説を表示されたい。また、それらを紹介するリーフレットなどを作成されたい。
(3)ホームページの「神戸 災害と戦災 資料館」の自然の「災害」と人為的な「戦災」を切り離し、別個のものとして設けるとともに、平和希求の啓蒙・啓発ができる平和記念館(室)を御影公会堂などの既存の施設を利用するなどして開設されたい。
(6)核兵器積載艦艇の入港を認めない「非核神戸方式」を市長は市会でも表明されているが、引きつづき堅持されたい。また、学校副読本や市民配布冊子として「非核神戸方式」を紹介されたい。
(7)神戸空港の現状と今後の見通しについて、安全・環境・需要予測などそれぞれ課題ごとに検証し、市民に明らかにされたい。
(8)在住外国人が生活の中で通訳を必要とするとき、利用できるシステムを構築し、支援措置を講じられたい。
7.各地区会議から出されている要求についても、市当局としてその実現に努力されたい。
神戸地区労情報 2013年12月24日より
(神戸)