要請書
貴職の日頃からご活躍に敬意を表します。
当ネットワークは、北海道から鹿児島までの76のコミュニティ・ユニオン、2万人が参加する個人加盟の労働組合のネットワークです。全国各地で「あらゆる働き方に権利を!」を掲げて、パートタイム労働者や派遣労働者、外国人・移住労働者など非正規雇用労働者をはじめ働く者の労働相談や組合づくり、権利運動に力を入れて取り組んでいます。
例年行っておりますが、今年度も貴職に対し下記の事項について要請いたします。明確なご回答を頂きますようお願いいたします。
記
1.労働法制の規制緩和について。
③労働政策審議会での議論をインターネット中継すること。
④ハローワークにおいて、求職者に対して、民間の職業紹介事業者や労働者派遣事業者の宣伝リーフレットを公募、配布することは、公共職業安定所の使命と役割を自ら放棄するに等しいものと言わざるをえず、直ちに中止すること。
2.派遺・請負について。
①労働者派遣法の見直し議論が行われているが、「常用代替防止」の原則を堅持し、労働者派遣は「臨時的・一時的な業務」に限定すること。
②製造業派遺や登録型派遺の禁止、均等待遇原則の確立など、労働者派遣法を改正すること。
③偽装請負を放置せず、「発注元」企業に直接雇用させるよう各労働局に徹底させること。
3.有期労働契約について。
①正当な理由のない有期労働契約を禁止し、例外としての有期労働契約は臨時的、一時的労働に限定すること。
③労災休業中の雇い止めを禁止すること。
④国民健康保険の負担軽減措置について、契約書に「次期更新なし」との不更新条項が記載されていて、契約期間が短かった場合に、「期間満了」との扱いとなり、負担軽減が受けられない。労働者の意思に反した雇い止めについて、「自己都合」扱いせず、負担軽減措置が受けられるようにすること。
4.地域最低賃金について。
①ワーキングプアを無くし労働者が人間らしい生活ができるよう、速やかに地域最賃を一時間あたり1、000円以上に引き上げること。
5.パートタイム労働について。
①すべてのパートタイム労働者への差別を禁止し、均等待遇を保証するパート法等の改正と運用を行うこと。
②賃金について、同一価値労働同一賃金原則によること。そのためのジェンダー中立な職務評価制度を確立すること。
③公務パートにもパート労働法を適用できるようにすること。
④ILOパート労働条約(1 7 5号)を速やかに批准すること。
6.職場のいじめ・嫌がらせ対策について。
職場のいじめ・嫌がらせを防止するガイドラインを速やかに作成すること。
7.指導、監督について。
①法違反企業に対する是正勧告・指導内容を確実に履行させるための監督・指導体制の強化、徹底をはかること。勧告・指導に従わない事業主については、逮捕・送検を含め厳しく対処すること。
③告訴・告発事案について、都道府県労働局が従来公表していたが、「本省から企業がわかるような内容は控えるようにとの通知があった」ことを理由に公表を差し控えるケースが出ている。従来どおり公表するよう各労働局に指導すること。
⑤労働者過半数代表の関わる届出に際しての監督官によるチェックを徹底すること。また、選出方法についての行政指針の啓発、指導を事業所労使双方に対して強化し、自主的民主的に選ばれていないものは無効であることを明確に示すこと。
⑥外国人・移住労働者を雇用する事業主に対して、就業規則の明示義務を遵守させるため、就業規則の母国語化を義務付け、指導、支援すること。
⑧年次有給休暇の消化について、年休の完全消化という趣旨に反する「当年度分からの使用」を認めず、前年度からの繰り越し分からの使用を優先するよう事業主に指導すること。
⑨偽装業務委託契約の実態を調査し、対策を強化すること。
①労働保険、社会保険未加入事業所の求人を受理しないこと。
②労基法違反事業所、不当労働行為事業所の求人を受理せず、また閲覧を停止すること。
③実際の労働条件が求人票の内容と異なる事案の実態調査をするとともに、事業主への指導を徹底すること。
⑤離職票を速やかに発行しない事業主に対する指導を徹底すること。
以上
▲ひょうご地域労働運動No68 2013.12.17 より
▼昨年の要請書
2012年12月10日
共同代表 原田優子(札幌地域労働組合) 木越陽子(おおだてユニオン)
上山史代(武庫川ユニオン) 小野博文(大分ふれあいユニオン)
136-0071 江東区亀戸7-8-9松甚ビル2F 下町ユニオン内
要請書
貴職の日頃からのご活躍に敬意を表します。
当ネットワークは、北海道から鹿児島までの75のコミュニティ・ユニオン、2万人が参加する個人加盟の労働組合のネットワークです。全国各地で「あらゆる働き方に権利を!」を掲げて、パートタイム労働者や派遣労働者、移住労働者など非正規労働者をはじめ働く者の労働相談や組合づくり、権利運動に力を入れて取り組んでいます。
例年行っておりますが、今年度も貴職に対し下記の事項について要請いたします。明確なご回答をいただきますようお願いいたします。
1.派遣・隋負について
①本来「専門職」であるはずの派遣が、キャリア形成もできず雇用の調整弁として活用され、使い捨て労働として便利使いされている現状を抜本的に改善すること。また、直接雇用を推進すること。
2.有期労働契約について
①正当な理由のない有期労働契約を廃止し、例外としての有期労働契約は臨時的、一時的労働に限定すること。
④“クーリング期間”を規制、禁止すること。既に「会社から、新しい法律ができたから来年4月1日の契約更新時には、6カ月の契約空白期間をおかなけれぱ契約更新はできない、と言われている」という使用者の誤解に基づく契約更新トラブルが発生している(福岡県)。法施行後、“クーリング期間”が無期雇用転換させないための脱法手段になることは明らかであり、禁止すること。禁止しないならぱ、早急に、“クーリング期間”の悪用防止策を講じること。
⑤労災休業中の雇い止めを禁止すること。
⑥雇用保険について、有期雇用労働者は短期に使い捨てにされ、短い雇用期間をつなぐ形で何とか雇用保険を受給すべく申請するケースが多い。しかし、なかなか12ヵ月の受給条件を満たすことができず、無保険、無収入期間が続き、悲惨な状態に追い込まれ、生活保護を受けられる場合はまだ良い方で、セーフティネットが最も必要な人たちがそれを受けられない状態になっている。現行の雇用保険制度が正規労働者を前提に設計されており、一方で日雇い雇用保険があるが、その中間に位置する短期で雇用を打ち切られる有期雇用労働者が受けられる雇用保険制度が見当たらず、犠牲者が多発している。
基本的にはこうした短期の有期雇用労働者に合った雇用保険制度を作る必要があるが、当面の対応として以下の実現をはかること。
ア)離職理由が有期労働契約の解除のうち、1年未満の短期の契約解除の場合、離職理由が更新予定無しの場合もすべて被保険者期間が6カ月をクリアーしていれぱ受給できるように改めること。
イ)離職埋由が有期労働契約の解除のうち、短期の契約解除であっても、解雇の扱いにすること。 ゛`
ウ)受給に必要な1カ月の認定は歴月12日以上の勤務のみとし、複雑な認定方法を改めること。また、異なる月の端数は足して12日になる場合は1カ月とみなすこと。
ア)同一事業所での1年の継続雇用の条件を少なくとも6カ月に短縮すること。
ウ)期間の定めのない労働者の場合は1年の加入期間の条件が無いのに反し、有期雇用労働者は同一会社で1年の加入実績が無いと育児休暇が認められない現行規定を有期雇用労働者に不利にならない制度に改正し、企業が勤続1年未満の有期雇用労働者にも育児休業を認める制度に改めること。少なくとも6カ月以上に改めること。
エ)有期雇用労働者が途中で期間の定めのない労働者になった場合に、1年に満たないとして育児休業給付を認めないことのないようにすること。
3.地域最低賃金について
ワーキングプアを無くし労働者が人間らしい生活ができるよう、速やかに地域最賃を一時間あたり1000円以上に引き上げること。
4.パートタイム労備について
すぺてのパートタイム労働者への差別を禁止し、均等待遇を保証するパート法等の改正と運用を求める。
①賃金については、`同一価値労働同一賃金原則によること。そのためにジェンダー中立な職務評価制度を確立すること。
②福利厚生制度や施設等の利用、また、教育訓練制度を正社員と同様の取り扱いにすること。
③疑似パート、呼称パート(フルタイムパート)の正社員化を義務づけること
④公務パートにも適用できるようにすること。
⑤正社員への優先的応募と相互転換を保障すること。
⑥男女共同参画、有期雇用原則禁止、間接差別禁止の観点で関連法も含めた総合的な施策を実施すること。
⑦ILOパート労働条約(175号)を批准すること。
5.職場のいじめ・嫌がらせ対策について
①職楊のいじめ・嫌がらせを防止するガイドラインを作成すること。
②具休的に相鋏を受けて解決している。ニオン等の団体、被害者の奮見を聞く場を設けること。
6.ケアフーカーの労働条件改善について
キャリアラダー対策は、一部のケアワーカーを対象とするものであり、全体の底上げには結びつかない。ケアワーカー個人に対する職場内での能カ評価を行う職務分析ではなく、ケアワークに対する正当な職務評価を行うとともに、その評価に基づいて介護報酬単価を決定すること。
7.運輸労働者の労働条件改善について
8.改定高年齢者雇用安定法について
例年要請してきたことであるが、厚労省作成の啓発パンフやQ&Aが使用者による脱法行為を助長し、使用者側に悪用された実態を真摯に受けとめ、作成の際は法の趣旨を尊重し、安定した雇用が確保されるようにした上で、事業所への指導を徹底すること。
9.監督、労災認定について
①法違反企業に対する是正勧告・指導内容を確実に履行させるための監督・指導体制の強化、徹底をはかること。勧告・指導に従わない事業主については、逮捕・送検も含めた巌しい対処を行うこと。
③労働者過半数代表の関わる届出に際しての監督官によるチェックを徹底すること(大分・中津労基暑)。また、選出方法についての行政指針の啓発、指導を事業所労使双方に対して強化し、白主的民主的に選ぱれていないものは無効であることを明確に示すこと。
④労災認定に際して、一度も作業現場に立ち入らず、申請者本人以外の会社関係者、現・元同僚から意見聴取を一切しないで業務外決定を出すというようなズサンな調査を認めず、そういう決定があった番合、原処分庁の決定を取り梢し、再調査させること(東京、新宿労基署/スーパーのパートタイマーの頸肩腕障害)。
⑤外国人労働者にも周知徹底されるように、労働契約法、改正労働者派遣法の啓発パンフレット、ホームページの多言語化を図ること。また、事業主に対して就業規則の明示義務を遵守させるため、就業規則の母国語化を義務付け、指導、支援すること。
⑥年次有給休暇の消化について、前年度からの繰り越し分ではなく、当年度に発生した分から消化するとしている事業所がある。当年度中に消ィヒしきれなかった場合に前年度繰り越し分が次年度に消化することになり、完全消化という趣旨に反する。年休の当年度分からの使用を認めず、前年度からの繰り越し分からの使用を優先するよう事業主に指導すること。
10.賃金未払いについて
②上記①の解決不能のものについては、立替払い制度が適用されたものの件数、金額も明らかにすること。
③上記②の統計が取られていない場合は、統計をとること。
⑤賃金不払い事業主に対して粘り強い指導を繰り返すとともに、是正勧告に従わない企業に対しては、逮捕・送検するなど厳しく対処するとともに、企業名の公表や厳しい処分が科せられるように法改正すること。
①雇用保険の「条件付き給付jについて、裁判や労働委員会で係争中であることや労基署への申告が要件となっている。団体交渉や争議となっている場合や労働委員会へのあっせん中でも給付するようにすること。また、係争中である場合、離職票に「自己都合退職」「重責解雇」と記載されている場合でも給付すること。
②事業主からの退職強要により自己都合退職させられたり、事業主が解雇したにもかかわらず自己都合退職と離職理由に記載したりするケースが繰り返されていることなど、雇用保険の失業手当について、自己都合退職と会社都合退職で給付日数に差を設けることは現実的ではなく、抜本的改正をすること。
13.電子メールで労働相談を受け付けるようにすること。
以上
(神戸)