特定秘密保護法廃止に向けた闘いを  全労協新聞 2014年1月号 3面から




特定秘密保護法反対闘争

広がった安倍政権への怒りの行動
特定秘密保護法廃止に向けた闘いを


安倍政権は七月の参議院選挙公約にもない特定秘密保護法案を十月二十五日閣議決定・国会提出し、十一月七日審議入りから一カ月で強行採決を繰り返し成立させた。日ごとにこの法案の問題点は各界に広がり、多くの反対声明もだされ、国会前に人々が集まり、廃案を求める声は日増しに多くなった。十一月二十一日に行われた日比谷野音の反対集会は開会前に参加者があふれ、門を閉じた。日比谷野音に何度も通ったがこんな事態は初めての経験だ。反対の熱気があふれ、継続審議か廃案も期待できる集会で、請願デモにでるまで一時間半もかかるほどであった。みんな、維新のすり寄り修正は法案のず、逆た。全員が慎重審議や廃案を求めた福島公聴会の翌二十六日与党は委員会・衆議院本会議で採決を強行した。

舞台は参議院に移った。この間も議員会館前で廃案・慎重審議を求める市民の声は拡がった。十一月二十九日には自民党石破幹事長は大声でのデモを「テロ行為」とブログに書き込み、市民の当たり前の意思表示をも「テロ」ととらえる与党・体制側の思惑を示した。出足が遅かったマスコミ報道や批判も日増しに大きくなり、十二月に入って連日様々な団体が反対の声を上げ、四日の昼には六〇〇〇人余の人が国会を包囲した。与党はアリバイのための公聴会を四日午後大宮で開き、共産党の除く野党は参加を拒否、与党の公述人はなんと自衛隊出身者であった。五日には参議院の委員会で強行採決されたが、その議事録には採決の記録はない。

六日の本会議での採決を阻止しようと国会周辺はたくさんの人々が集まり声を上げていた。十三時からの本会議の傍聴券を入手し、このまま開会しないようにと願いつつ待った。十五時十五分から開会となったが、森雅子担当大臣に。次は衆議院本会議が終わるまで予定は未定ということで、日比谷野音に向かった。五時半過ぎですでに会場はいっぱいだった。緊迫する中でた。急遽差し替えられた集会決議を満場の拍手で採択し、銀座と国会請願デモへ。会場外にも人があふれ、一五〇〇〇人の参加だった。

夜九時に再会された本会議は中川特別委員会委員長の門責決議で一時間半が経過し、ついに法案の審議がはじまった。民退し、自民党は沖縄選出の島尻議員に賛成討論をさせたが、まさに踏み絵だ。共産党の反対討論では十分もしないうち自民党は机をたたき、ヤジを飛ばして討論が聞き取れない、その時靴が弧を描いて演壇近くに落ちてきた。傍聴者の怒りだ。その後民主党議員が戻り、ついに採決された。〇、反た。市民の大きな反対の声を無視しての採決に笑いながら拍手する自民党議員の振る舞いにうすら寒い気がした。傍聴した福島からの避難者女性が絶対森雅子大臣を許さないと語っていた。

会の外では本会議の音声が流れ、採決撤回、秘密保護法廃止のシュプレヒコール響いていた。市民の声が届けとの願いは結局かなわなかったが、安倍政権は人々の危機感に確実に火をつけた。すでに法案廃止に向けた動きも始まっている。怒りの火を大きくしていこう。

(柚木康子)



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