プレシアホールディングス・藤木久三会長 /神奈川

 
 


 
かながわ経済:菓子は感動創造業へ−−プレシアホールディングス・藤木久三会長 /神奈川
毎日新聞 2012年05月26日 地方版
 
 ◇藤木久三会長(70)
 「横濱ハーバー」で知られる洋菓子の「ありあけ」など9社で構成する「プレシアホールディングス」(横浜市港北区)の藤木久三会長(70)は、毎日新聞のインタビューに、22日開業した東京スカイツリータウンへの出店の狙いや社会貢献などについて語った。【聞き手・山本修司】
 
 −−東京スカイツリーが開業しました。
 
 ◆「みちくさ餅」「旬風 一期一会」「東京下町シュークリーム スイートオーブン」の3店を出しました。スカイツリーには世界に向けた「JAPAN」と「江戸」という二つの切り口があります。日本のすばらしさを海外に発信するものでもあるわけですね。ですから、私たちは和菓子、そして日本のスイーツをスカイツリーを通じて世界にアピールしたい。日本の中心である東京に進出するだけでなく、海外戦略が背景にあります。実際に、韓国や中国、インドネシアなどから出店要請も来ています。
 
 −−グループとしての進出ですね。

 ◆3店は「エフ・エフ・エス」「スイートガーデン」というグループ会社2社が出店します。エフ社は94年に創設。「タカラブネ」など約850店舗を展開するスイート社は07年に買収しました。当グループは「ありあけ」のイメージが強いですが、グループの一社という位置づけです。物流会社も持っています。
 
 −−グループのポリシーは。
 
 ◆菓子製造業から「感動創造業」へというものです。ただ菓子を作って売るのではなく、安全で安心、そして喜びと感動をもたらすおいしさを生み出すということです。ですから人材の育成にも力を注いでいます。
 
 −−社会貢献にも熱心ですね。
 
 ◆全事業所で始業の20分ほど前から周辺の掃除をしています。「美しい横濱をつくる会」にも社員が参加し、横浜の港付近の清掃活動を行っています。
 
 私はかつて、お金持ちになろうとがむしゃらに事業をしていたのですが、息子を交通事故で失ってショックを受け、生き方を考えた。そんな時、掃除の大切さを説く鍵山秀三郎さん(イエローハット創業者)のセミナーで、「傲慢な社長はトイレ掃除に学べ」と教わり、自分でも掃除に力を入れ、会社の理念にも入れたんです。菓子の売り上げの一部を東日本大震災の被災地支援に充てる活動も続けています。
 
 
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 ■人物略歴
 
 ◇ふじき・ひさかず
 福井県立丹生高卒業後の60年、プロ野球選手を夢見て、社会人野球の名門だった日本コロムビアに入社。都市対抗野球にも川崎市代表で出場した。76年にパンケーキ店「プチドール」を経営、94年にプレシアを創業した。趣味はゴルフ。
 


 
 
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