県民の力を結集して国・東電の犯罪と闘う  全労協新聞 2012年5月号 2-3面

全労協新聞 2012年5月号 2-3面
 
 


全労協脱原発プロジェクト


 
●ふくしま連帯ユニオン

県民の力を結集して
国・東電の犯罪と闘う
 
 
3・11県民集会は一万六〇〇〇人の参加で成功裡に終わった。今後はこの集会で採択された宣言をどう血肉化しうるか?が福島県民に問われる。

昨年の福島第一原発事故から一年が過ぎ、鮮明に見えてきた加害と被害の風景がある。政府は約四兆円の除染予算を組み、除染をして避難区域への帰還を勧める戦略を立てた。しかし高濃度で除染が無理な大熊町双葉町の帰還困難地域は残った。そして近隣町村はコミュニテイが崩壊しているため帰還は遅々として進んでいない。次に東電を通して中道通り地区一〇〇万県民に精神的慰謝料を現在支払い始めている。これは、県民の口封じ以外の何ものでもなく、私たちはこんな子供だましの八万円で東電批判を止めるつもりはない、もらった金で東電告訴を準備すべきだろう。

これに対して被害者となった反原発側は当初は放射能から子どもを守る運動から立ちあがった。文科省の子どもを守る姿勢よりも政治的な現状追認的な紆余曲折があり一ミリシーベルトに落ち着くまで、女性たちの運動を一層高揚させ、文科省通商産業省包囲闘争を生んだ。その延長に子どもたちを疎開させてという郡山疎開裁判が闘われたが、郡山地裁は棄却の判断を下し、現在仙台高裁へ控訴中である。

そして、東電・原子力委員会原子力安全委員会原子力安全保安院等を県民数千人が原告になり告訴する「福島原発告訴団」が三月十六日発足した。われわれとしても、この原告団に県民の力を結集して、国・東電の犯罪を徹底的に暴露したいと考えている。
 


 
●洛南ユニオン

大飯原発再稼働を
許すなと県庁行動
 
 
大飯原発再稼動の要請に枝野経産相が福井に来る!」のニュースが四月十三日夜に流れた。翌四月十四日福井県庁前には関西各地から約三〇〇人が駆け付け、抗議行動が展開された。福井県庁は福井城跡のお堀に囲まれ、出入り口は橋のかかる三か所。抗議行動は県庁正面の御本城橋を中心に午後二時前から展開された。

午後三時頃、枝野経産相が裏口から県庁に入ったとの情報が流れ、抗議行動は、御本城橋を渡って、県庁前広場になだれ込み県庁に向かって抗議のシュプレヒコールを繰り返す。

県庁前広場の芝生には、停止線のロープがはられ、県職員が見張りに立っていたが、抗議のデモ隊は徐々に県庁建物ににじり寄り建物入り口を警備する警官隊とにらみ合いが続く。

抗議の代表団を県庁に入れさせるよう粘り強い交渉の結果、午後五時前、三人の申入れ代表団が入場し、県に抗議の意思と大飯原発三、四号機再稼動に反対の意思を伝えた。最終的に枝野経産相はまたもや裏口からこそこそと退出していった。
五月五日までに大飯原発を再稼動させようという野田政権のもくろみは、破たんした。今夏再稼動を許さず、廃炉に向けて全国で奮闘しよう!
 


 
●4・7再稼働を許さない関西集会

びわ湖を守ろう600人がデモ
 
近畿六府県・四十四団体による実行委員会が主催する「大飯原発再稼動を許さない、4・7関西集会」に市民・労働者六〇〇人が滋賀県大津市なぎさ公園おまつり広場に集まった。

最初共同代表の仲尾宏さん(反戦反貧困反差別共同行動きょうと代表)から、「大飯原発で事故がおきれば、放射能が吹きつけ、近畿の水がめ・びわ湖が汚染される。滋賀県嘉田由紀子知事に強い決意を持ってもらうため、皆さんで決起しよう」と、野田首相の指示からたった三日後に決定した「暫定基準」を批判して主催者挨拶。

福島県南相馬市から大津市に避難している青田勝彦さんは「七十五年から十八年間、福島の原発差し止め訴訟原告で活動してきたが、昨年の大震災で心配が現実となってしまった。避難している大津でも十五機もの原発があり、安眠できない」と、「古里を返せ!人生を返せ!」と大書したゼッケンを着用しながら訴えた。
大飯原発地元から「森と暮らすどんぐり倶楽部」代表の松下照幸さん(福井県・元美浜町議)から「きちんとした対策が出来ていない。国会の東京電力福島第一原発事故調査委員会の結果が出る前に、なぜ急ぐのか。再稼動が専攻し、安全が二の次になっている。」と政府を批判し、福井県知事についても「新幹線を敦賀まで延伸し、中部縦貫自動車道を名古屋までつなぐという飴で再稼動はいつでもオーケーになっている」と、危険な事態を告発した。「政府に原子力政策をやめ、再生可能エネルギー政策に転換することを強く要求」していく決議を採択後、関西電力滋賀支店まで約二キロのアピール行進に入った。

(京都総評 稲村守)
 


 
(F)