野田政権の原発再稼働を許すな 全労協新聞 2012年4月号 1面

全労協新聞 2012年4月号 1面
 
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全労協は3・11福島、3・24東京で脱原発を訴える(3月24日)
 


野田政権の原発再稼働を許すな
 
全ての原発廃炉に追い込むまで全力で闘おう
賃金を引き上げ、雇用を拡大して被災地再建を
 
 
12年春闘の本格的な攻防戦をまえに「日本経団連経営労働政策委員会報告二〇一二年版」は、「東日本大震災による経済活動の低下、高すぎる法人税、異常な円高と電力危機により日本企業はぎりぎりの所に立たされている」と定昇凍結を打ち出し、ベアについても「この間のデフレを考慮すると、賃金水準は物価下落で実質的に上がっている」のだから論外としていた。そして労使交渉については、「労使パートナーシップ対話」を深化させ「競争力の強化策・事業展開について議論を尽くすこと」が望ましいなどと述べていた。

そして今12年春闘、連合・大手企業の労働組合は、円高と震災などを理由にベア要求を行わず、一時金の要求についても昨年の実績を下回る要求となり、当然のように三月十四日に示された自動車・電気など大手企業は二〇一二年度賃金引き上げ交渉に対する集中回答では昨年の妥結実績を下回る内容となった。

これは大手に続く中小で働く労働者・非正規労働者外国人労働者などの賃金交渉の足かせとなり困難な闘いを強いることになっている。

雇用は安定せず非正規労働者の割合は三四・三%に達し、年収二〇〇万円以下の労働者は一、一〇〇万人を超え、非正規労働者の四人に三人は年収二〇〇万円以下で働いている。昨年公表された厚生労働省の「国民生活基礎調査」は「二〇〇九年時点で一一二万円に満たない国民が十六%いたこと、つまり六〜七人に一人が相対的な貧困状態にある」と。これでは低賃金によって生活苦に喘ぐ労働者の生活は改善されない。

全労協は、東日本大震災の復旧・復興には雇用と内需拡大が不可欠であると繰り返し述べてきた。膨れあがる一方の内部留保、さしあたり直ちに企業活動に必要とされない内部留保金を賃金引き上げに回したところで何の影響も無いはずだ。今、賃金を大幅に引き上げ、雇用を拡大して被災地を再建していくこと、これが大企業の社会的責任として求められている。

われわれの12春闘では、大手企業の低額回答を打破し、低賃金と不安定雇用、非正規労働者外国人労働者の均等待遇・処遇改善など、人間らしい労働と生活を取り戻すために全力で闘おう。

東日本大震災から一年、三月十一日全国各地で犠牲者の追悼と脱原発への集会・デモが取り組まれた。いまや日本全土放射能汚染を免れる地域はなくなった東電福島第一原発事故。その最大の被害者となった福島県で「原発いらない!福島県民大集会」が開催され全国から一万六〇〇〇人、全労協は約一〇〇〇人参加した。

昨年十二月野田首相は、東京電力福島原子力発電所の事故について「冷温停止状態」に至ったとし「事故収束宣言」を発表したが、今も原発被害が全国的な規模で拡大している。事故収束への道筋が未だに見えない状況で、三月十一日政府主催の追悼式で野田首相は「原発の再稼働へ全力で取り組む」ことを表明するなど原発再稼働の動きを活発化させている。

原発を人の生命より資本の利潤を優先させて推進してきた独占資本、自民・民主の保守政治家、御用学者、マスコミなどが多くの生命と健康、仕事を奪い、人間らしい生活と食の安全を破壊した。そして陸・川・海と大気中に世界的規模で増え続ける放射能汚染、甚大な被害をもたらした原発事故は人々の生活や心まで破壊した。この責任は当然、国および東電がとらなければならない。

引き続き全労協は「さようなら原発一〇〇〇万人アクション」に結集し、全ての原発廃炉に追い込むまで全力で闘おう。
 


 
(F)