製造業・登録型派遣禁止削除は許されない / 全労協新聞 2011年12月号 1面

全労協新聞 2011年12月号 1面
 
全労協新聞
 
1面
 
1.全労協新聞1面
●労働者派遣法改正

製造業・登録型派遣禁止削除は許されない
 
 
 新聞報道によると労働者派遣法改正案を民主・自民・公明三党が修正に同意する見通しと報じられている。その中身は①登録型派遣の原則禁止規定の削除、②製造業派遣の原則禁止規定の削除、③日雇派遣の原則禁止の緩和、④違法派遣者の場合における労働契約申込規定について三年経過後施行することを柱にするものである。

 労働者派遣法こそ労働者の非正規化、ワーキング・プアの元凶であり、リーマンショックによって派遣切りが行われ、寒空に放り出された労働者が日比谷派遣村で年を越すなか、喫緊の課題として抜本改正が求ゆられたものである。

 特に、登録型派遣と製造業派遣の問題点が明らかとなり、民主党を中心として社民・国民新による連立政権を実現させる大きな契機ともなってきたものである。当時の三党案からすれば政府案には一定の後退があるものの、昨年三月に国会に上程され一刻も早い成立が求められていたのである。しかし、私たちの願いにもかかわらず、国会審議はほとんど行われず、継続審議をくり返していた。ところが突然、改正案の中心課題を削除・修正する合意が成立したというのである。改正案を換骨奪胎しようというのである。決して許されないものではない。

 国会会期も後残り少なくなっているが、しっかり審議を行ない、非正規労働者の窮状を救うにはどのような法改正が必要か十分議論が尽くされなければならない。政党間の駆け引きで終わらせることはできない。
 全労協は労働者派遣法の抜本改正を求めて闘ってきた。非正規労働者の無権利・低賃金を克服するには十分なものとは言えないが、現政府案の早期成立を求めてきた。登録型派遣、製造業派遣の禁止規定は必要不可欠なものである。

 有期労働契約に関する法制化やパート労働者の見直しも検討されている。使い捨て労働から労働者を保護し、非正規労働者の均等待遇を実現する一歩が派遣法の改正でなければならない。労働者派遣法の抜本改正と早期成立に向けて国会内外で闘いを強めていこう。
 


 
 
2.全労協Fax情報


              内      容 年月日
http://www.zenrokyo.org/fax/d002btn.gifNO1507 労働者派遣法の抜本改正を!
 民・自・公三党による「骨抜き修正案」可決糾弾!
 附帯決議で「違法」派遣の取締を止めろと要求!!
 11.12.8

 
 
 
3.昨日・今日のニュース


 
延長せず国会閉会 派遣法案など越年
2011年12月9日 朝刊
 
 政府・民主党は八日午後の野田佳彦首相、輿石東幹事長らの三役会議で、臨時国会の会期を延長せず、会期末の九日で閉じる方針を正式に決めた。与党は郵政改革法案や公務員給与を引き下げる臨時特例法案、労働者派遣法改正案の成立を目指したが、会期を延長しても成立は困難と判断。各法案は衆院で継続審議の扱いになる。 
 一方、自民、公明両党は九日、一川保夫防衛相と山岡賢次消費者行政担当相の問責決議案を参院に共同提出する。両氏の問責は野党の賛成多数で可決される見通し。公明党山口那津男代表は八日夜のBSフジの番組で、両氏が問責決議案可決後も辞任しない場合、来年の通常国会で両氏が関連する審議には応じない考えを明らかにした。
 


 
派遣法改正案 採決見送り合意
NHK 12月8日 21時10分 
 
衆議院議院運営委員会は、理事会を開き、労働者派遣法の改正案について、8日の衆議院本会議での採決を見送ることで与野党が合意しました。
派遣労働者の雇用を安定させるための労働者派遣法の改正案は、7日夜、衆議院厚生労働委員会で、製造業への派遣を原則禁止するとした規定などが削除されたうえで、民主・自民・公明の3党の賛成多数で可決されました。政府・民主党は、法案の今の国会での成立を目指して、8日の衆議院本会議で採決を行い、参議院に送りたいとしていましたが、衆議院議院運営委員会の理事会で、民主党は、衆議院本会議での採決を見送る考えを示し、野党側もこれを受け入れ、8日の衆議院本会議は、開かれないことになりました。労働者派遣法の改正案については、みんなの党が、参議院で十分な審議時間を確保するよう求め、審議日程で折り合いがついておらず、政府・民主党は、衆議院を通過させても、今の国会の会期中に法案を成立させる見通しが立たないことから、8日の衆議院本会議での採決を見送ったものとみられます。


 
(F)