全労協新聞 2011年9月号 2面 広大な脱原発戦線を

全労協新聞 2011年9月号 2面
 
 
①面 復興に向け社会運動としての労働運動を
②、③面 労働組合の社会的責任として違いを越えた広大な脱原発戦線を/許されない被ばく線量の緩和、徹底した線量管理を拡大する放射能汚染、問われる地域・職場の対策
④面 ウェザーニューズの組合つぶし 委員長解雇を許さない/不採用問題終結 苦渋の決断で確認/全労協に加盟 新たな出発の一歩/放漫経営・団交拒否に抗議のストライキ
 


以下、2面から


労働組合の社会的責任として
違いを越えた広大な脱原発戦線を


 事故から五ヶ月以上も経つがいっこうに事故収束への道筋が見えない東京電力福島原子力発電所。事故の収束に向けた懸命な作業は、高い放射線量の下での過酷な労働の上に成り立っている。事故収束には「数十年単位の時間がかかる」と菅直人前首相は述べているが、今後、作業にあたる労働者が足りなくなることも予想され、事故を収束させるにはさらに多くの被ばく労働者が生まれることを前提としなければならない。労働者は使い捨ての部品ではない。「子どものいない夏」という新聞の見出しがあった。原発事故によって住み慣れた家や土地を奪われそして仕事が奪われ、全国各地に家族ちりぢりな避難を余儀なくされ故郷を失った市民。労働者および農漁民家族の生活は破壊された。

 さらに原発事故の被害は、報道されているように牛肉・魚介類・農産物など食料品にもおよび、全国的な規模でわれわれの生活と各々の労働現場に拡大してきている。「風評被害」ということも言われるが、これは責任を曖昧にする単なる風評などではない。東電福島原発事故による被害である。この「風評被害」の責任は東京電力にあるといわなければならない。

 全労協は結成以来今日まで方針に反原発を掲げて闘ってきたが、その闘いは原発立地の現地に依存してきた。しかも、われわれの闘いの不十分さ故に、結果として原発を許してきた。しかし、原発被害が全国的な規模で拡大してきている今日この反省から、全ての原発を即時廃止する国民的な闘いを展開するために、本部に「脱原発プロジェクト」を設置した。

 確かに長年に亘り反原発の闘いを継続している市民団体や労働組合、地域の仲間がいる。しかし一方、原発を即時廃止する闘いを国民運動として展開するための陣形は、組織された労働者・労働組合の社会的責任として、政党やナショナルセンターイデオロギーを超えた政治戦線でなければならないと思う。それを中軸としつつ市民運動、地域運動の仲間と連携した社会運動として展開していく、このことが今問われているのではないか。全労協はそのために奮闘する決意である。全ての反原発脱原発を掲げる労働組合および団体にこのことを呼びかけたい。組織の違い、地域の如何を問わず可能なところから組織しよう。広大な戦線を作り上げる以外に、エネルギーを危険な原子力発電に頼る政策から脱することはできない。

 当面「脱原発プロジェクト」は鎌田慧さんら九氏の「さよなら原発一〇〇〇万人ア
クション」の呼びかけに応じ、駅頭宣伝と署名行動、明治公園五万人集会を全力で取り組むことを確認している。

9・19さよなら原発集会

19日 開会/13時半 
    デモ出発/14時15分
明治公園(東京)


 
 
(F)