全労協/ 技能実習生問題 スクラムユニオン・ひろしま / 新聞 2019年7月号


各地で技能実習生問題に取り組む



労働委員会で証言し
損害賠償請求訴訟ヘ


 本誌五月号で紹介した受入協同組合から語学研修中に「日本語ができない」との理由で強制帰国させられたインドネシア技能実習生のリキ・アムルーラさんか来日した。

その目的は二つあった。五月二十日の広島県労働委員会の証人尋問に出席することと、中亜国際協同組合とマルコ水産に対する損害賠償請求訴訟を提訴するためであった。

 労働委員会の証人尋問で、リキさんは見事までに中亜国際協同組合のウソを暴いた。「自分の意思で帰ったのではなく、インドネシアで日本語を学び直してこいと言われた」「帰ったら、送り出し機関に何しに帰ってきたのか?と言われた」「スクラムユニオンの脱退届を書けば、日本に戻れるとだまされた」「中亜の飯田さんに、おまえはブラックリストに載っているからもう戻れないと言われた」など、反対尋問する飯田自身がしどろもどろになり青ざめるほどであった。

 リキさんは、日本を実習先に選んだ理由を次のように述べた。「日本の文化が好きだ、日本の文化を知りたかった。日本で稼いて両親を幸せにしたかった」「日本に戻ってきて、また働きたい」。彼は純朴な農村出身の青年で、敬虔イスラム教徒であった。来日していた十八日間は、ちょうどイスラム教の「ラマダン」にあたり、日の出から日没まで飲食ができなかった。でも当たり前のように、それをこなし、弁護士との打ち合わせ会議などもこなしていた。お土産に買った広島力ープの幅子をかぶり、無事帰国しました。