全労協/ 「働き方改革」法案を廃案ヘ / 全労協新聞 2018年6月号

全労協働き方改革」法案を廃案ヘ / 全労協新聞 2018年6月号

安倍政権は退陣!退陣!


安倍首相最大のチャレンジ
働き方改革」法案を廃案ヘ



 政治家の関与も疑われている国有地売却問題。国有地が森友学園に破格の安値で払い下けられ、財務省がこの払い下げに関する公文書を改ざんした。そして官僚たちが首相の意向を「忖度」して行動した。これだけでも安倍政権の存続が問われ、安倍首相は辞める必要がある。くわえて「首相案件」といわれる加計学園問題では、安倍首相は加計孝太郎理事長とは獣医学部の話をしたことはないという国会答弁だが、各省や愛媛県に残っていた文書の記述で、事実が明らかになってきた。国会答弁は「ウソではないのか」という見方がまず一般的だろう。こうしたことは今に始ま
ったことではないと思うが、これでは政府が国民から信頼されなくなるのは当然だ。

 改めて、「一億総活躍プラン」がもとになっている安倍政権の雇用・労働政策、「働き方改革」について考えてみる。これは安倍首相の私的諮問機関である「一億総活躍国民会議」が二〇一六年六月に提出し、閣議決定された。この中で「働き方改革」は、「同一労働同一賃金の実現など非正規雇用の待遇改善」「長時間労働の是正」「高齢者の就業促進」などが掲げられた。これは一六年夏の参議院選の公約に掲げられ、この参議院選で勝利した安倍政権は、「この内閣は未来チャレンジ内閣」だと述べた。そして安倍首相は記者会見で、「長時間労働の是正」「同一労働同一賃金の実現」「非正規という言葉をこの国から一掃」「最低賃金の引き上げ」「高齢者への就労機会の提供」「テレワークの推進」などについて触れ、「働き方改革」を「最大
のチャレンジ」と位置づけると宣言した。これに関連して、働き方改革担当相が設置され、その後招集された「働き方改革実現会議」で「賃金の引き上げ」「転職・再就職
支援、職業訓練」「テレワークや副業・兼業など柔軟な働き方」「女性・若者が活躍しやすい環境」「外国人材の受け入れ」の問題などか取り上げられ検討が開始された。

 今国会に提出された法案は、労働基準法など八本の改正案を束ねた「働き方改革関連法案」となっているがこの法案は、昨年三月にまとめた安倍首相が議長を務める経団連や連合の労使トップが参加する「働き方改革実現会議」の実行計画が元になっている。柱のひとつは、非正社員の待遇改善を目指す「同一労働同一賃金」と、もうひとつの柱が、経済界が求め続けてきた労働時間規制の緩和だ。「従業員をより柔軟に働かせられる」とする高プロ制度は安倍政権の経済政策でもある。

 そして安倍首相か「最大のチャレンジ」とする「働き方改革」八法案が五月二十五日に、衆院厚労委員会で強行採決された。審議は参議院に移るが、労働時間規制を受けない労働者を生みだすことは到底認められない。

(金澤壽議長)