労働法制一括改悪法案阻止へ / 全労協新聞 2017年10月号

労働法制一括改悪法案阻止へ / 全労協新聞 2017年10月号


●労働法制一括改悪法案阻止へ

過労死拡大、8時間労働制破壊の
安倍政権の働き方改革と全力で闘おう

安倍「働き方改革」の柱となっている長時間労働について、時間外労働を月45時間、年間360時間に上限規制し、違反には刑事罰を課すというものであるが、財界の意を受けて月100時間未満までの特例を認めるというものである。即ち、時間外労働を実質月100時間未満まで認めるというものである。時間外労働が月100時間に及んでいる場合とは、労災として認定されうる基準であることは誰でも知っているのである。これでは、長時間労働を規制する意味は全くないのである。そればかりか、労基法に明記されることによって、かえってこの最大最高時間を当然とする企業が拡大し、過労死がさらに拡大することは必至である。とうてい許されないことであり、生活時間、休憩時間をしっかりと確保するために労働者の長い闘いにって築かれた8時間労働制を破壊するものである。

さらに高度プロフェッショナル制の導入と、裁量労働制の対象業務拡大が同時に認められようとしていることである。高プロ制は1075万円以上の高額所得者を対象に時間外労働に対して残業代を払わなくても良いとするホワイトカラーエグゼンプションであり、財界は400万円までの労働者に拡大してほしいと主張してはばからないのである。また、裁量労働制を営業職にも拡大することが認められようとしている。財界はこの裁量労働制の対象業務拡大に大きな期待を寄せており、これらの一連の法改悪によって過労死や脳・心疾患を罹患する労働者が急速に拡大することは容易に想像できるのである。過労死家族会からも厳しい批判が行われている。

そして「同一労働同一賃金」とキャッチコピーを掲げて労契法20条が求めてきた「有期雇用を理由とした労働条件の差別は許されない」という理念、同一労働を比較する対象労働者の要件を厳しくて空洞化を図り、差別はやむを得ないものとするばかりか、全体的な低賃金構造に平準化しようという意図も見て取れるのである。

安倍政権の「働き方改革」の意図が世界で一番企業が活躍しやすい国へ作り替えるための労働者働かせ方改悪であることがますます明確になっている。

安倍政権は口先で労働者の歓心をかい、法案に反対すればあたかも労組はあたかも労組は労働者の敵であるような印象操作によって対立を煽ろうともしている。

非正規労働者の真の均等待遇を実現し、労働者を長時間労働の無限地獄に陥れようとする暴挙を許してはならない。全力を挙げて闘いを作ろう!