東本願寺の未払い 残業賃金を勝ち取る / 全労協新聞 2017年7月号

東本願寺の未払い 残業賃金を勝ち取る / 全労協新聞 2017年7月号


全労協
http://www.zenrokyo.org/

全労協新聞
http://www.zenrokyo.org/simbun/sinbun.htm
より




きょうとユニオン

東本願寺の未払い
残業賃金を勝ち取る



この事件は、きょうとユニオンが二人の東本願寺で働く労働者(僧侶)から相談を受け二〇一五年六月以来、取り組んできたものである。

二人は全国の門徒が本山の研修施設に宿泊しながらおこなう奉仕活動の世話をする「補導」という業務についていた。

早朝出勤、深夜退勤なども多く、超過勤務時間が一三〇時間を超える場合もあったが、残業賃金は支払われていなかった。その根拠になっていたのは「時間外労働の割増賃金は支払わない」という一九七三年に労働者代表と締結した労使協定である。さらに組合員に対するパワバラもあった。

二人の労働者は、僧侶として本山と対立することになることに葛藤を抱え、体調を崩しながらも、勇気をふり絞って闘いに立ち上がり、全く支払われていなかった未払い残業代の支給を勝ち取った。

「信仰心があったからこそ、人を人として扱わず、いつ死者が出てもおかしくない職場を放置できなかった。奉仕団の方々と同様に補導も大切な人間だと認めて欲しい」と組合員が語っているように、彼らの闘いは宗教法人真宗大谷派の改革の闘いでもあった。

きょうとユニオンは僧侶といえども労働者であるかぎり、彼らの権利を守って闘っていく。そのことが結果として宗教法人の民主化につながり、宗旨に沿うものではないのかと考える。

「奉仕や信仰」に甘えることなく、自らの下で働く労働者の雇用、労働条件について労働法を順守した対応を強く求めたい。