3・28高浜原発再稼働容認判決 新たな安全神話だ / 全労協新聞 2017年5月号

3・28高浜原発再稼働容認判決 新たな安全神話 / 全労協新聞 2017年5月号


全労協
http://www.zenrokyo.org/

全労協新聞
http://www.zenrokyo.org/simbun/sinbun.htm
より




3・28高浜原発再稼働容認判決
新たな安全神話



三月二十八日、大阪高裁前に「反原発」の赤旗が、春風にのって数多くたなびく。世界史上初の運転中の原発を司法の力で止めた3・9大津地裁仮処分決定から一年余。近畿・全国の広範な市民や反原発運動家がかけつけた。

昨年三月九日の大津地裁仮処分決定は、新規制基準自体の問題を暴き、安全の根拠の立証責任を関電に求め、十分な避難策確立も求めた画期的な、まさに民意反映のものだった。

これを真っ向から覆し、高浜原発三・四号機再稼働容認の決定を大阪高裁は下した。

住民側原告の井戸謙一弁護団長は記者会見で、「この決定は新たな安全神話だ」とし、怒りを表明。辻義則原告団長は、「あまりにも情けない決定だ。政府・電力会社を忖度した不当な決定だ。大津地裁で本訴の勝利に向け引き続き闘う」と決意表明。

昨年十二月十八日に高浜原発至近・音海地区自治会の皆さんが高浜原発一・二号機の運転延長反対決議を採択されたことや、本年一月二十日に一一二メートルのクレーンが高浜原発で倒れるなど、度重なる全国や若狭・高浜原発での安全無視による事故発生、一四五〇万人の近畿のいのちの水源・琵琶湖を託されている滋賀県三日月大造知事の原発再稼働反対の意思表明等々を全く省みない、安倍政権・電気事業連合会トップの意思を忖度した、原発マフィアファーストのあきれた不当反動決定に市民の怒りは収まらなかった。大阪高裁の裁判長はさらなる大衆闘争の奮起を促してくれたと言えよう。

(さいなら原発びわこネットワーク
稲村守)